煮物やおでんなど、昆布を使うことありますよね。

昆布は海の中で生息しています。昆布そのものを食べたりもしますが、ダシを取るために用いることもありますよね。

私は、昆布は海の中でダシが出ないのか?と疑問に思っていました。大きく立派に成長しすぎた昆布は、海の中でダシが出すぎて、美味しくないのではないか?とまで思っていました。

そこで、昆布のダシについて調べてみました。ここでは、私が勉強した、昆布が海の中でダシがでない理由について、詳しく説明していきます。

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目次

昆布が海の中でダシが出ない理由

最初に昆布が海の中でダシが出ない理由について見ていきましょう。

昆布が生きている限りは、ダシの成分は溶け出すことはありません。

ダシの成分はグルタミン酸です。旨味成分のグルタミン酸は、昆布の細胞が大量に持っています。

このグルタミン酸は、昆布だけでなく人の体にも存在していて、体を構成したり、動かしたりするためのタンパク質を作り出す原材料です。

グルタミン酸は細胞で使われますが、細胞の外側には、細胞膜という膜があります。細胞膜には”選択透過性”という機能があります。

選択透過性とは、体に必要なものを外から取り入れ、不必要なものを外に出し、逆に必要な物は外に出さず、不必要な物は外に出すという働きです。

グルタミン酸は体に必要なものなので、外に排泄されるということはありません

昆布の細胞が生きている限り、選択透過性が機能していますので、海の中ではダシの成分であるグルタミン酸は出ないという仕組みです。

基本的に昆布が生きている限りダシは出ないと説明してきましたが、これは、昆布の生育環境が適温であることがポイントです。

昆布の生育環境が低温や高温になってしまうと、昆布の細胞膜がダメージを受けて、生きていても、少量のグルタミン酸が流出するといわれています。

温暖化などの環境の変化によっては、グルタミン酸が少なく、ダシが取れない昆布が出現してしまうのでしょうか。いつまでも美味しい昆布ダシを楽しむためにも、環境への配慮も考えなければいけませんね。

グルタミン酸たっぷりの昆布ダシを取る際に用いる昆布は、固く乾燥したものが多いですよね。生食で昆布を食べる地域は限られるかと思いますが、ダシを取るには昆布を乾燥させた方がいいんですよ。その理由について、次の項で詳しく説明していきます。

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昆布ダシは乾燥した昆布を使う理由

昆布ダシを取るときに、乾燥した昆布を使う理由は、次の2つがあります。

  • ダシが抽出しやすい
  • グルタミン酸が濃縮される


それぞれについて詳しく説明していきます。

ダシが抽出しやすい

昆布からダシを取るときに乾燥したものを用いる理由は、ダシを取りやすいためです。

昆布からダシが出る仕組みは、細胞膜からダシの成分であるグルタミン酸が抽出されることです。

通常、昆布の細胞は細胞膜によって、グルタミン酸が流れ出ないようにされています。先ほどの項では、細胞膜によってグルタミン酸が出ないということを説明しましたが、ダシを取る際には、細胞膜は邪魔な存在になります。

ダシを取る場合は、できるだけ細胞膜を破壊したものを用いることで、たくさんのグルタミン酸を短時間で抽出できるというわけです。

細胞膜は、高温や低温、乾燥などの環境変化によって壊れるんでしたよね。この特徴を生かして、昆布を乾燥させて細胞膜を壊しているんですね。

また、昆布は、生食では食材の腐敗が早いため、乾燥させることで、長期間安定して保存もできるというわけです。

グルタミン酸が濃縮される

昆布を乾燥させることで、グルタミン酸が濃縮されます。元々、グルタミン酸は、水には溶けにくい性質です。

生の昆布は、水分量も多いため、ダシを取ろうとしても、先に昆布の水分が邪魔をしてしまいます。

昆布を乾燥させることで、余分な水分を除去し、昆布の中にあるグルタミン酸を濃縮させることができます。

昆布からダシを取る際に、昆布の種類によって、コツがあります。そんな昆布から美味しくダシを取るコツは、次の2つがあります。

  • うま味が強い昆布
  • うま味が弱い昆布


順番にコツを見ていきましょう!

うま味が強い昆布

うま味が強い昆布の種類は、羅臼昆布真昆布があります。

天然の昆布(高級なので、お値段も高いですが…)のうま味が強い昆布の場合は、時間をかけて昆布からうま味を抽出します。調理を開始する前、約3時間程度、昆布を水に浸してからお湯を沸かします

昆布の種類によっては、だし汁が茶色に濁ったりしますが、これはうまみ成分です。通常、昆布からダシを取る場合は、一定時間が経過した後、昆布を取り出してしまいますが、天然の昆布は、沸騰してからもそのままにしておくと、よりうま味やコクを抽出することができます。

天然ではない、養殖などの昆布の場合は、昆布の表面が柔らかい場合が多いです。養殖などの昆布からダシを取るコツは、水の状態から昆布をいれ、お湯が沸騰したら、昆布を取り出す、通常のダシの摂り方でOKです。

うま味が弱い昆布

うま味が弱い昆布の種類は、利尻昆布日高昆布などがあります。

うま味が弱い昆布は、天然でも養殖でもダシの摂り方のコツは一緒です。鍋に水を入れて昆布を浸します。

そのあと、弱火で40分程度加熱します。ぶくぶくと沸騰させてしまうと、ダシ以外の雑味などが混じってしまいますので、約60℃くらいで加熱することがポイントです。

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まとめ

昆布のダシの成分であるグルタミン酸は、昆布の細胞の中にあります。グルタミン酸は昆布の細胞が活動するために必要な成分です。

そんな成分が漏れ出てしまっては、昆布の生命が危険な状態になってしまいます。そのため、昆布が生きている海の中ではダシは出てきません。

しかし、昆布を収穫して、加熱や乾燥させることで、細胞が壊れて、ダシの成分が出やすい状態になります。

ダシを取る昆布が乾燥しているのは、ダシの成分のグルタミン酸を効率的に抽出するのに適しているためです。また、乾燥していることで、長期間安定して保管できるというメリットもあります。

昆布は、天然のものと、養殖などのものがあります。天然の昆布は、養殖のものよりも値段が高いですし、固いという特徴があります。天然のうま味の強い昆布は、3時間程度水につけてから、昆布そのものを一緒に調理することで、昆布のうま味を余すことなく取ることができます。

上手に昆布からダシを取って、美味しい料理を食べましょうね。