決められたときに薬を飲むように言われても、つい忘れてしまうことってありますよね!
特に、熱がある、痛いなどの自覚症状がない場合は、薬を飲み忘れてしまうことが多くあります。
私が薬剤師として勤務していたときも、患者さんに「薬飲み忘れちゃった。余っているのだけど、どうしたらいい?」と何度も相談をされた経験があります。
自分でお薬の管理をしている人だけでなく、介護者の方も、「いつ飲んだのかわからなくなってしまって。どうしたらいい?」というケースもたくさんありました。
そこで、ここでは、お薬の飲み忘れを防止方法について、紹介していきます。
目次
薬の飲み忘れ防止~3つの自己対策方法~
早速、薬の飲み忘れ防止方法について紹介していきます。
具体的な飲み忘れ自己対策方法は、
- お薬カレンダーを利用する
- アラームやアプリを利用する
- 薬の保管場所を工夫する
です。
次に具体的に紹介していきます。
お薬カレンダーを利用する
薬の飲み忘れ方法として、効果的なのは「お薬カレンダー」を利用する方法です。
お薬カレンダーとは、
- 30日分の小さなポケットのついたもの
- 朝昼夕寝る前など飲み方でポケットが分かれているもの
などがあります。
使い方は簡単!このポケットにお薬を自分でセットするだけです。お薬カレンダーとしてインターネットなどでも販売されていますし、100円均一にも、カレンダーポケットなどとして販売されています。
自分にあった形のものを見つけてみてください。
お薬カレンダーを使うメリットとしては、
- 飲み忘れた回の薬が一目でわかる
- お薬カレンダーを確認するという習慣付けで飲み忘れ予防
- 介護者の方も薬の管理がしやすい
などがあげられます。
一方で、お薬カレンダーを使うデメリットは、
- お薬カレンダーのポケットにセットしなくてはならない
- 間違えてポケットにセットした場合は、数日間、間違えたお薬を飲み続けてしまう
などがあげられます。
お薬カレンダーを使うメリットは大きいですが、間違えてセットしてしまうと、“朝飲まなければならないお薬を間違えて、夜飲んでしまった”、“2倍量飲んでしまい、薬が足りなくなった”などの場合もあります。
カレンダーにセットする場合は、1度セットしなおした後、複数回確認しましょう。
アラームやアプリを利用する
薬の飲み忘れ防止方法として、アラームやアプリを利用する方法があります。
この方法は、日中お仕事をしながら、薬を飲まなければいけない方にお勧めです。自分の日常生活の中で、薬を飲むタイミングでアラームやアプリが起動するようにセットしておくだけです。
アプリによっては、薬の錠数や形、種類などを登録することができるものもあります。また、薬を飲んだ記録を数か月保存できたり、介護者の方に報告することもできるアプリもありますので、自分にあったもの選んでみましょう。
iPhoneの場合は「App Store」で、Androidの場合は「Google Play」で”薬 飲み忘れ 防止“なんてキーワードで検索すると、たくさん出てくるので、是非お試しください。
ちなみに私の場合は、私昼食前に飲まなければいけない薬は、アラームを利用していました。
私は、勤務中は携帯をみることができなかったので、キッチンタイマーを利用して、お昼休憩のタイミングにアラームが鳴るようにセットしていました。
薬の保管場所を工夫する
薬の飲み忘れ防止方法として、薬の保管場所を工夫してみましょう。
薬の保管場所の工夫とは、
- ダイニングテーブルの上に保管する
- 洗面台の歯ブラシの近くに保管する
など様々です。
私が対応した患者様の中に、「寝る前にお薬を使用して、そのあと歯磨きをしなければならない」という方がいました。
その方から、仕事で疲れて帰ってきて、眠たくて薬を使うのを忘れてしまうという相談を受けたので、薬の保管場所を洗面台の歯ブラシの近くに保管することを提案しました。その結果、薬の飲み忘れが減ったということもありました。
普段の生活習慣の中で、忘れない場所、目のつく場所に保管するのがよいと思います。もちろん、湿気対策などを保管場所によっては対応しなくてはならないこともあるので、工夫する場合は薬剤師に相談してください。
ここまで、薬の飲み忘れ防止の3つの自己対策を紹介してきました。
自分で飲み忘れをしないように努力をすることは重要ですが、限界もあります。気にしすぎて、ストレスとなってしまい、飲み忘れが増えてしまったというのでは、意味がありません。どうしてもだめだという方は、医師や薬剤師に相談してみましょう。
詳しい方法を次の項で詳しく説明していきます。
どうしても飲み忘れてしまうときには、医師や薬剤師に相談!
自己対策で頑張っても飲み忘れてしまうときには、医師や薬剤師に相談しましょう。
薬は病気をよくするため、安定させるために、飲んだり、使用したりします。当たり前ですが、薬は飲み忘れてしまっては、意味がないのです。
私が患者さんから飲み忘れが多いですと相談された場合は、次の3つのことを対応していました。
具体的には、
- 薬を一つの包みにまとめる(一包化をする)
- 服用タイミングの変更
- 剤形の変更
です。
次に詳しく説明していきます。
薬を一つの包みにまとめる(一包化をする)
薬を複数種類飲まなければならない方は、薬を一つの袋状の包みにまとめる、“一包化”を行っていました。
一包化をすることで、1回に服用する薬をまとめて管理できます。お薬カレンダーにも1つの包みをセットするだけで済むので、間違いが少なくなります。
特に、介護者の方は、薬の管理以外にも食事や入浴など、日常生活でやることがたくさんあります。しかし、薬が一包にまとまっていれば、それだけで済むので、薬に神経を擦り減らすことが少なくなるのでお勧めです!
ただし、一包化は薬剤師が、個別に包装するため、場合によっては患者側の一部負担金が増えることがあるので、詳しくはかかりつけの薬局に相談してみてください。
服用タイミングの変更
患者さんの中には、昼食後に飲むことを忘れる方が多くいらっしゃいました。
そんなときは、1日3回、朝昼夕食後に飲むお薬の服用タイミングを減らす努力をしました。薬によっては、1日1回で対応可能な薬も存在します。
もちろん、すべての薬で存在するわけではありませんが、日々新しく販売される薬の中には、服用回数を減らすことのできるものもあるため、それを医師と相談するという対応をしていました。
剤形の変更
薬の剤形は、錠、粉、シロップ、軟膏など様々なものがあります。
多くの薬は錠や粉の剤形ですが、中にはフィルム剤というものも存在します。イメージは、小さいオブラートのようなものです。
患者さんの中には、飲み忘れをしないように、お財布に薬を保管するという方がいました。その患者さんから「錠剤を財布に入れていて、押しつぶされて飛び出るのをなんとかしてほしい」と言われました。
もちろん、お財布の中は不衛生な状況で薬を保管する場所には適さないのですが、本人が「飲む前には衛生管理をしっかりするから保管場所は財布がいい」ということでしたので、同じ成分でフィルム剤を提案しました。
フィルム剤に変更することを医師と薬剤師で相談して対応した結果、薬は飛び出さなくなったと喜ばれました。
このように、医師や薬剤師に相談することで、解決できる飲み忘れも存在しますので、どうしてもできないときには相談してみましょう。
まとめ
ここでは、薬の飲み忘れ防止について紹介してきました。
飲み忘れ防止の自己対策としては、
- お薬カレンダーを利用する
- アラームやアプリを利用する
- 薬の保管場所を工夫する
を紹介しました。
特にお薬カレンダーは、管理も比較的容易ですし、飲み忘れが一目でわかります。
我が家は、100円均一で購入した、カレンダーポケットを今はお買い物などのレシートを保存するのに利用しています。1ヶ月分まとめて、家計簿に記入することで支出がわかります。
風邪を引いたり、花粉症の時期などは、薬をカレンダーポケットに入れて飲み忘れを防止しています。お薬カレンダーは、色々な使い方ができるので、一つ自宅に購入しておくのもおすすめです。
また自己対策に限界を感じたら、医師や薬剤師に相談しましょう。飲み忘れていることを放置する、気が付いたときに倍量飲むなどは、絶対にしないようにしてくださいね。