私はよくおばあちゃんから、「昆布を食べると、白髪になりにくいんだよ。綺麗な髪でいたいなら昆布を食べましょうね」と言われていました。
皆さんも一度は言われたことがある言葉ではないでしょうか?
幼いながら、昆布の黒さは、髪の毛を黒くする効果があるんだと思っていました。
しかし、大人になって昆布には、白髪を予防したり、髪の毛を黒くする効果があるの?と疑問に思うようになりました。
そんな疑問を解決すべく、昆布の白髪への効果について調べたら色々と発見がありましたよ!
というわけで、ここでは、私が勉強したことを詳しくお伝えしていきます。
目次
昆布の白髪への効果
最初に昆布の白髪への効果を学びましょう。
そもそも白髪って、どんな状態なのでしょうか。白髪は、髪の毛の細胞で黒い成分であるメラニン色素が作られない状態です。当然、メラニン色素が少なくなれば、白髪になってしまいます。
メラニン色素は、メラノサイトという細胞で作られています。つまり、白髪を予防するためには、メラノサイトを活性化して、メラニン色素をたくさん作ってもらえばいいんです。
昆布には、メラノサイトを活性化する成分の一つ、ヨウ素が含まれています。ヨウ素は、昆布やわかめなどの海藻類の他に、青魚などに含まれています。
ヨウ素を含む食材は次の8つがあります。それぞれの食材100gに含まれるヨウ素の含有量を示しました。
- 昆布:24,000µg
- わかめ:1,600µg
- 焼きのり:2,100µg
- ところてん:240µg
- さんま:21µg
- 牡蠣:73µg
- ポテトチップス:260µg
- 卵黄:50µg
ヨウ素って、海藻や魚だけでなく、ポテトチップスなどのお菓子類にも含まれています。昆布エキスや海藻エキスと表記があるものには、ヨウ素が入っている場合があるため、私達は知らない内に、ヨウ素を摂取する機会があるってことです。
ヨウ素は、細胞の成長や代謝を促進する効果があるといわれています。このことから、昆布を食べることで白髪予防効果があるといわれる理由です。
しかし、ヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能の低下を起こしてしまいます。成人の場合、ヨウ素の1日の必要量は、1日0.095mgといわれています。摂りすぎには注意してくださいね。
また、ヨウ素の他に、白髪予防に効果のある成分は次の2つがあります。
- チロシン
- 銅
それぞれについて詳しく説明していきます。
チロシン
チロシンは昆布には含まれていませんが、メラニン色素の原料です。メラノサイトが活性化されてもチロシンが含まれていないと、髪の毛に黒い色をつけることができます。
チロシンは、次の8つの食材に含まれています。書いてある数字は、それぞれの食材100gに含まれるチロシンの含有量です。
- かつおぶし:2,600mg
- こうやどうふ:2,200mg
- プロセスチーズ:1,300mg
- きな粉:1,300mg
- 大豆:1,300mg
- たらこ:1,100mg
- 車エビ:650mg
- クルミ:510mg
チロシンはアミノ酸のうちの一つなので、やはりタンパク質が豊富な食品に多く含まれています。
銅
銅は昆布には含まれていませんが、チロシンキナーゼという酵素を活性化するミネラルの一つです。
先の項で紹介したチロシンは、体の中に摂り込まれて、リン酸という物質がくっつかないと活性化しません。このチロシンにリン酸をくっつける働きをするのがチロシンキナーゼです。
このチロシンキナーゼを活性化するためには、銅が必要です。しかし、人は体内で、銅を作り出すことができないため、食事などから摂る必要があります。
銅を多く含む食材は、次の7つがあります。書いてある数字は、それぞれの食材100gに含まれる銅の含有量を示しました。
- 大豆:0.98mg
- 納豆:0.61mg
- ゴボウ:0.16mg
- ニンニク:0.18mg
- モロヘイヤ:0.33mg
- サツマイモ:0.20mg
- 玄米:0.12mg
昆布には、メラノサイトを活性化して、メラニン色素をたくさん作り出す効果があります。これによって、白髪を予防する効果があるというわけです。
しかし、昆布には、髪の毛に良い効果は白髪予防効果だけではないんです。
昆布には、髪の毛につやを出したりする効果もあるんです。次の項では、その他の昆布の効果について、お伝えしていきます。
昆布の知られざる効果?!
先の項で、昆布には、ヨードが含まれているため、メラノサイトを活性化する効果があると説明しました。
昆布には、メラノサイトを活性化するだけでなく、次の2つの効果があります。
- 血流を改善する
- 艶を出し、髪質を和らげる
それぞれの効果について詳しく説明していきます。
血流を改善する
昆布に含まれるミネラルは血流を改善する効果があります。
ミネラルは、体の中に微量に存在するものです。しかし、体になくてはならない成分で体のバランスを整えたり、血流を改善する働きがあります。
頭皮の血流が良くなれば、髪の毛の細胞に必要な栄養素もたくさん運ばれてきます。その結果、太く丈夫な髪の毛になるという仕組みです。
艶を出し、髪質を和らげる
海の中の昆布を触ると、ネバネバしたものがついていますよね。このネバネバは、アルギン酸と呼ばれる成分です。
アルギン酸は、古くから石けんの代わりに用いられていました。奈良時代には、髪の毛や体の汚れを落とすために、昆布のアルギン酸を用いたともいわれています。
アルギン酸は、髪の毛に艶を与え、髪質を柔らかくするという効果があります。
もちろん、現代の方が、昆布のネバネバを髪の毛に直接つけるということはありませんよね。アルギン酸を昆布から上手に摂取することで、これらの効果を体の中から得ることができます。
また、アルギン酸には、体の中のナトリウムと結合して体外に排泄する働きがあります。その結果、高血圧の症状が改善するといわれています。
まとめ
ここでは、昆布の白髪への効果について紹介してきました。
昆布に含まれるヨウ素は、髪の毛を黒くするメラニンを作り出す、メラノサイトという細胞を活性化する働きがあります。
メラノサイトが活性化することで、髪の毛を黒く保つことができるため、白髪予防につながるという効果があります。
また、昆布のヨウ素以外にも、チロシンや銅をバランスよく食材から摂取することで、より髪の毛に良い影響があります。
髪の毛って、人の印象を左右するとっても大切な存在ですよね。昆布は、白髪を予防するだけでなく、頭皮の血流を良くしたり、髪の毛の艶を出したりする作用もあります。
上手に摂取して、健康な髪の毛を維持していきましょうね。