昆布は、ダシを取ったり、煮物などに入れたり、お菓子として売られているなど、私達に身近なものですよね。

昆布のダシは、旨味のグルタミン酸が豊富でとっても美味しいですよね。そんな昆布の栄養成分は、グルタミン酸だけではありません。

昆布からダシを取るときに、湯につけておくと、ヌルヌルしてきますよね。このヌルヌルなども昆布の栄養成分の一つです。

昆布には、栄養成分を含め3つの成分が含まれています。そして、実はその中には脂肪燃焼効果のある物質もあるんです!

というわけで、ここでは、3つの成分について詳しくお伝えしていきます。

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目次

昆布の栄養成分

最初に、昆布の栄養成分などについて学びましょう。

昆布に含まれる栄養成分は主に次の3つです。

  • 食物繊維
  • ミネラル
  • 色素成分


昆布は植物です。昆布の約3割が食物繊維からできています。また、昆布には、カルシウムなどのミネラルも豊富に含まれていますし、昆布の色の元となる色素成分にも嬉しい効果がいっぱいあります。

ここからはこれらの成分の働きについて説明していきます。

食物繊維

昆布には水溶性食物繊維として、アルギン酸フコイダンが約30%~40%含まれています。

昆布を調理すると、ヌルヌルとした粘りがでてきますよね。この正体はアルギン酸やフコイダンです。この2つの成分は、昆布をはじめとした海藻が持つ特有の水溶性食物繊維です。

この水溶性食物繊維は、口から摂取して腸に届くと、腸の中の善玉菌のエサになり、腸内環境を改善する効果があります。

また、動物を対象とした実験では、アルギン酸には血圧上昇抑制作用が、フコイダンには腫瘍細胞の増殖抑制作用が認められています。

ミネラル

昆布に含まれるミネラルは、カルシウムやヨウ素などがあります。

昆布に含まれるカルシウムは、牛乳の7倍も含まれています。カルシウムは、骨などの新陳代謝に関与したり、体の血流などのバランスを取るために重要な役割を担っているミネラルです。

また、昆布にはヨウ素が多く含まれているのが特徴です。ヨウ素は昆布以外の海産物にも多く含まれています。

ヨウ素は体の中で、甲状腺ホルモンのチロキシンとトリヨードチロニンをつくる材料になっています。これらは、交感神経を刺激することで基礎代謝を高める働きを持っています。ヨウ素は特に子供にとっては、体や知能の発育を促進させる働きがあります。

しかし、ヨウ素は摂りすぎには注意が必要です。ヨウ素の過剰摂取は、甲状腺腫を発症する場合があります。また甲状腺疾患をお持ちの方は、ヨウ素の摂取制限が必要のため医師に相談しましょう。

色素成分

昆布って、緑色のイメージがありますが、実際には、10円玉の色に近い褐色をしています。

この褐色の色素成分は、フコキサンチンと呼ばれる成分です。

フコキサンチンは、強い抗酸化作用のあるカロテノイドの一種です。昆布をはじめとした海藻に多く含まれています。フコキサンチンは、抗酸化作用として、紫外線やストレスなどによって生じた活性酸素を除去する働きがあります。

活性酸素の過剰発生は正常な細胞を傷つけてしまいます。そしてダメージを受けた細胞は、シミやシワなどの老化現象や、胃腸などの病気の原因となってしまうこともあります。

フコキサンチンの抗酸化作用は活性酸素の攻撃を防ぐことができるため、老化現象の予防や、様々な病気の予防につながるといわれています。

他にも、次の2つの効果があります。

  • 白色脂肪の減少
  • 血糖値の減少


それぞれについて、詳しく説明していきます。

白色脂肪の減少

フコキサンチンは、体内の白色脂肪を減少させる効果があるといわれています。

体の中の脂肪の成分は、大きく白色脂肪と褐色脂肪の2種類に分けられます。白色脂肪は、体内で余ったエネルギーを脂肪として蓄える働きがあり、褐色細胞は、脂肪を燃焼してエネルギーを消費する働きがあります。

そのため、白色脂肪が多ければ多い程、体にエネルギーが脂肪として蓄えられてしまいます。動物を対象とした研究でフコキサンチンには、この白色脂肪を減らす効果が、報告されています。

人への研究も進められているようなので、今後も注目していきたい成分ですよね。

血糖値の減少

フコキサンチンは、血糖値を減少させる効果があるといわれています。

フコキサンチンを摂ると、体の中で糖の代謝を促進させます。その結果、体内の糖が減少するため、血糖値を減少させるという仕組みです。

また、フコキサンチンには、血糖値を増大させるホルモンの働きを抑制する効果もあるといわれています。

糖の代謝とホルモンの働きを抑制するというダブルの効果で、血糖値を下げるという嬉しい成分ですよね。

昆布に含まれる栄養成分について理解できたと思います。このように昆布には体に嬉しい効果がいっぱい詰まっています。

そんな昆布は、成長すれば成長するほど、栄養価や長さが大きくなるといわれています。でも、昆布って、成長する段階で、枯れてしまうってご存知でしたか?

次の項では、昆布の成長過程について、詳しくお伝えしていきます。

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昆布の成長過程

昆布は、昆布の卵が岩にくっついて、根っこをはらせます。昆布の根から目が出るように昆布の細胞は分裂を繰り返して、1年目の昆布となります。

この1年目の昆布は、根だけを残して枯れてしまいます。

しかし、昆布は根から再度成長し、1年目のものよりも太く、長い昆布に成長します。また、2年目の昆布の方が栄養価も高く、味の良い昆布になるといわれています。

私達が食べたり、ダシを取ったりしている昆布は、一度枯れて、さらに強くなった昆布を食べているってことですね。

根っこが生きていれば、昆布の葉の部分は再生できるなんて、植物の力強さを感じますよね。

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まとめ

昆布の栄養成分には色々な健康効果があるんですね~。

昆布に含まれる栄養成分は主に次の3つです。

  • 食物繊維:排泄促進、コレステロールの吸収抑制、血糖値の上昇抑制など
  • ミネラル:カルシウムやヨウ素による体のバランスを整える
  • 色素成分:フコキサンチンによる抗酸化作用


昆布には、こんなにたくさんの重要な栄養成分がぎゅっと詰まっているんです。昆布をはじめとした海藻類には豊富な食物繊維やミネラルが含まれています。ダシをとるだけではなく、昆布もしっかり食べましょう。

我が家は、ダシを取る昆布を小さく切って、ダシを取りながらそのまま食べられる大きさで調理しています。

旨味もアップしますし、昆布の食感もプラスされて美味しいですよ。ぜひ、お試しくださいね。