乾燥した昆布の表面に白い粉がついている場合がありますよね。見た目はカビのようにも見えます。
皆さんもカビかな?と不安になった経験があるかもしれませんね。
多くの場合、昆布の表面についている白い粉は、カビでないことが多いです。でも、取り扱いが不適切な場合は、本物のカビも生えてしまうこともあります。
昆布はダシを取ったり、細かく刻んで食べたりしますよね。お料理が苦手な私でも、時々はかつお節や昆布からダシをとっています。そんなものにカビが生えていては大変です。
そこで、ここでは、昆布の白い粉の正体や、カビとの見分け方についてお伝えしていきます。
目次
昆布の白い粉の正体
最初に、昆布の白い粉の正体について学びましょう。
昆布の表面についている白い粉は、汚れやカビではなく、”マンニット“というショ糖と同程度の甘味をもつ昆布成分のひとつです。
このマンニットは、昆布にたくさん水分が含まれていたり、空気中の水分量が多いと昆布の表面にできやすいといわれています。
そして、乾燥すると水分とともにマンニットが表面に抽出され、結晶になるため、白い粉が吹き出たようになります。
マンニットは、昆布のおいしさの要素ですので、取り除き過ぎないようにした方が良いのです。そのため、乾燥昆布を使用するときは、固く絞った濡れ布巾で表面をふく程度にしましょう。
さて、ダシを取るための昆布などに賞味期限が記載されていますが、適切に保管していなければ期限内でもカビが生えてしまうことがあります。
昆布の表面の白い粉はマンニットだと油断していると、カビを食べてしまうかもしれません。そうなっては大変ですよね。
そこで、次の項では、マンニットとカビの見分け方について説明していきます。
白い粉はマンニット?それともカビ?
繰り返しになってしまいますが、昆布の表面の白い粉はマンニットと呼ばれる成分です。しかし、乾燥昆布などの保管管理が適切でないと、昆布の表面にカビが生えてしまうことがあります。
マンニットとカビを見分けるポイントは次の2つがあります。
- 爪などで削り取れる
- カビの臭いがしない
それぞれについて詳しく説明していきます。
爪などで削り取れる
昆布の表面の白い粉がマンニットなのか、カビなのかを見分けるポイントは、爪などで簡単に削り取れるかどうかです。
マンニットの場合は、昆布の表面にしか存在しないため、爪などで軽くこするだけで取り除けます。
一方、カビの場合は、昆布自体から発生しているため、爪などでこすっても削り取れない場合が多いです。
この簡単に削り取れるかどうかのポイントは、マンニットとカビを見分ける際に重要なポイントですので、覚えておきましょう。
カビの臭いがしない
昆布のマンニットとカビを見分けるもう一つのポイントに、カビの臭いがしないことがあります。
食べ物などにカビが発生すると、カビの独特な臭いを放ちます。もちろん、カビがわずかに発生しただけでは、臭いを感じることができない場合もありますので、臭いだけで、判断するのは危険です。
また、カビの臭いを嗅ぐときは、十分に注意してください。カビの臭いがするということは、生きた大量のカビの菌が存在するということです。当然、臭いを嗅ぐだけでも、鼻、喉、肺にカビの菌が入ってきます。人によっては、アレルギー反応を起こしてしまう場合もありますので、侮れません。
そのため、まず最初に、白い粉が簡単に削り取れるかどうかを試してみてくださいね。
これ以外にも、カビの場合は、白い粉が綺麗な円になることがあります。これは、カビを発生する菌の繁殖が円状に広がっていくという特徴があるためです。
マンニットの場合は、昆布の水分が蒸発することで起こるため、綺麗な円になるものばかりではありません。
しかし、カビであっても、円と円が重なり合ってしまえば、形が変形しますし、マンニットも、昆布の水分が円形で蒸発すれば、丸くなります。
粉の形状で、マンニットやカビを見分けるのは、目安程度にしておくことをおすすめします。
というわけで、マンニットとカビを見分けるポイントが分かったところで、マンニットを最大限残しながら昆布からダシを取ったり調理したりする方法が知りたくなりますよね。
そこで、次はその方法を簡単に説明していきます。
マンニットを残す方法
昆布の表面についているマンニットを最大限残す方法は、昆布をそのまま使用するのがおすすめです。
しかし、乾燥昆布の表面には、マンニットだけでなく、細かい汚れがついている場合もあります。
汚れは取り除きたいですよね。
マンニットは、糖アルコールと呼ばれる成分のため、水分ととっても仲良しです。そのため、昆布を水洗いしてしまうと、洗い流した水にマンニットが溶け出してしまいます。
そのため、マンニットをできるだけ残し、汚れを取り除く方法は、水で濡らしたふきんを固くしぼって、昆布の表面をなでるように軽く拭きます。
一般的に、汚れはマンニットの成分よりも大きいため、軽くなでるだけで、ふきんに汚れが吸着してマンニットはできるだけ昆布に残すことができるという仕組みです。
くれぐれも、昆布を丸ごと水洗いをしてしまうのはやめてくださいね。もったいないです!
まとめ
昆布の表面についている白い粉の正体について説明してきました。
昆布の白い粉の正体は、カビではなく、マンニットと呼ばれる甘い成分の一つです。マンニットは、昆布を乾燥させる際に、昆布本来に水分が含まれている、空気中の水分が多い場合に発生しやすいといわれています。
カビにとても良く似ていますが、そのまま食べて問題ありません。
しかし、乾燥昆布の保存状況によっては、昆布がカビてしまう場合があります。昆布のカビは、見た目だけではマンニットと区別がつきません。
マンニットとカビを見分けるポイントは次の2つです。
- 爪などで削り取れる
- カビの臭いがしない
マンニットは昆布の表面に軽く付着しているだけなので、爪などで簡単に削りとることができます。反対に、カビの場合は、爪でこすっても中々、落ちません。尚且つカビ独特の臭いがします。この2つのポイントを確認してみてくださいね。
皆さんも昆布のマンニットを上手に残して、美味しく食べましょう!