ファイトケミカルって言葉、聞いたことありますか?
最近、野菜や果物などに含まれる栄養成分で、健康によいものとして注目されています。
言葉だけ効くと、化学物質みたいな印象をもってしまいますよね。
このファイトケミカルには、体を酸化から守る効果やアンチエイジング効果など、嬉しい効果がいっぱいなんです。
しかも、ファイトケミカルって、普段の食事を少し工夫するだけで、簡単に摂取できてしまうんですよ。
そこで、ファイトケミカルの効果や摂取方法について、詳しくお伝えしていきます。
目次
ファイトケミカルとは?
ファイトケミカルは、ファイト(phyto)とケミカル(chemical)がくっついた言葉で、フィトケミカルという呼ばれ方もします。
それぞれの言葉の意味は「ファイト(植物)」+「ケミカル(化学物質)」を示します。
ファイトケミカルは、強い紫外線や鳥・虫などから守るために植物が自ら作り出した、さまざまな働きを持つ成分の総称です。野菜や果物などの植物に、色、香り、苦み、辛みとして存在しています。
ファイトケミカルには、体がサビていく(=酸化する)のを抑える抗酸化作用、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果、免疫力を高めるなどの多くの働きが期待でき、肌や身体のトラブルを防ぐといわれています。
ここで紹介するファイトケミカルは、次の3つです。
- カロテノイド
- ポリフェノール
- 硫黄化合物
それぞれについて、詳しく説明していきます。
カロテノイド
ファイトケミカルの一つカロテノイドには、抗酸化作用の効果があるといわれています。
人は、食事からエネルギーを摂取したり、体を動かしたりするときに、必ず酸素が必要です。この酸素、通常ならば、体に害はないのですが、ストレスなどがあると、活性酸素と呼ばれる、体に良くないものに変化してしまいます。
この活性酸素は、体の細胞を酸化させる力があります。細胞が酸化すると、体がサビて老化してしまいます。
もちろん、体が老化してしまえば、体の抵抗力、免疫力も低下するという悪循環になってしまいます。
しかも、活性酸素は、ストレスに加えて、運動をするなど、普段の生活で、多かれ少なかれ、発生してしまうものなので、ゼロにすることはほぼ不可能です。
このやっかいな活性酸素を少なくしてくれる効果があるのが、カロテノイドです。カロテノイドの抗酸化作用は、体の中でできた活性酸素を除去してくれるため、体のサビが少なくなり、その結果、免疫力が高まります。
また、カロテノイドの抗酸化作用は、体のサビを防いでくれるので、アンチエイジングにも効果があるといわれています。
カロテノイドは、βカロテン、リコピン、ルテインなどが含まれ、主に緑や赤、黄色などの緑黄色野菜や果物などに含まれる成分です。
ポリフェノール
先の項でもファイトケミカルの一種、カロテノイドにアンチエイジング効果があると紹介しました。
カロテノイドに加えて、ポリフェノールもファイトケミカルとして、アンチエイジングに効果があります。
ポリフェノールは、野菜や果物などの皮の部分に多く存在します。野菜や果物は成長する際に、外部からの刺激から身を守り、内部の栄養素を外に逃さないようにする必要があります。そのためにポリフェノールを作って、皮を強化しているのです。
簡単にいってしまえば、ポリフェノールはストレスから身を守るために役立つというイメージですね。
先の項でも紹介したように、ストレスなどによって、細胞は老化してしまうため、ポリフェノールを摂取することで、さらなるアンチエイジング効果も期待できるということになります。
ポリフェノールは、アントシアニン、ショウガオールなどが含まれ、主に紫色の野菜や果物、生姜などに含まれる成分です。
硫黄化合物
ファイトケミカルの一つに硫黄化合物があります。
これまでのカロテノイドやポリフェノールと違って、ちょっと、あまり耳慣れない言葉ですよね。硫黄と聞くと、温泉の独特な香をイメージしませんか?
実は、硫黄化合物って、この臭いがポイントなんです。
硫黄化合物は、鼻などの粘膜への強い刺激臭で、強力な抗酸化作用を発揮するといわれています。また、硫黄化合物には、血行を良くする効果や、血栓を溶解させる効果があります。これらの効果から生活習慣病予防に効果があるといわれています。
さらに、硫黄化合物には、そのもの自体に殺菌力があるといわれていて、食中毒の予防として薬味などにも多く含まれています。
硫黄化合物は、硫化アリルやイソチオシアネートなどが含まれ、臭いの強い野菜などに多く含まれています。
ここでは、3つのファイトケミカルについて紹介してきました。しかし、現在発見されているファイトケミカルは他にもたくさんあり、約1500種類ともいわれています。
これらのファイトケミカルは、単独の成分が野菜や果物などに含まれているわけではなく、色々な種類のファイトケミカルが一つの野菜に含まれている場合があります。
ファイトケミカルは、色々な種類のものが、重なり合って、幅広い効果を示すものといわれています。
ファイトケミカルの効果が分かったところで、気になるのは、どんな野菜や果物に多く含まれているのかと、効果的に体に摂取する方法ですよね。
そこで、次の項では、代表的なファイトケミカルの含まれている食材の紹介と、おすすめな摂取方法について、詳しく紹介していきます。
ファイトケミカルの摂取方法
ファイトケミカルをどんな食品・食材からとればよいか、難しく考える必要はありません。食卓が彩り豊かになるように、いろいろな種類の野菜・果物を選ぶだけでOKです。
トマトの赤、にらの緑、人参の橙、ベリー類の紫など、とにかく、食卓をカラフルにすることを意識するのがポイントです。
こうすれば、さまざまなファイトケミカルを自然に身体に取り入れることができます。
また、ねぎやにんにくなどの香りや辛みもファイトケミカルの一種です。個性がある野菜も薬味や味付けのアクセントに使うなど、日々取り入れて、ファイトケミカルのパワーを自分の味方につけましょう。
先に紹介した成分が含まれている食材は、次の通りになります。
- βカロテン
- リコピン
- ルテイン
- アントシアニン
- ショウガオール
- 硫化アリル
- イソチオシアネート
人参やほうれん草など
トマトやスイカなど
ほうれん草やキウイ、芽キャベツなど
いちごなどのベリー類、紫キャベツ、赤しそなど
生姜
玉ねぎ、ネギ、ニラ、にんにくなど
わさび、大根、キャベツ、菜の花など
これらのカラフルな食材に含まれるファイトケミカルを効率良く摂取する方法ですが、特に注意することはありません。
ファイトケミカルは、加熱調理にも強いため、焼き物、煮物などでも十分に摂取することができます。お味噌汁などに入れると、効率よく、たくさんの食材を摂取することができるので、おすすめです。
少し余談ですが、ファイトケミカルは熱には強いですが、その他野菜や果物に含まれるビタミン類は熱に弱いものもあるため、ファイトケミカル以外の栄養成分も摂取したい場合は、ご注意ください。
まとめ
ファイトケミカルには、抗酸化作用やアンチエイジング、生活習慣病予防など、体に嬉しい効果があることがわかりました。
また、ファイトケミカルは熱にも強いため、特別な摂取方法を取らなくても、普段の調理に食材を加えるだけでOKなのも簡単で、すぐに実践できます。
ファイトケミカルを上手に摂取するためには、とにかく、食卓をカラフルにすることです。赤色、黄色、緑色、紫色など、野菜や果物を組み合わせるだけでOKです。
彩り豊な食卓って、見た目もよくなりますし、食欲も増す印象です。
皆様もぜひ、カラフルな食材をたくさん使って、ファイトケミカルを上手に摂取してくださいね。