風邪を引いたりして熱がでると、体温が高くなりますよね。この体温が高くなるという状態は、体が外部からのばい菌などの侵入者を排除しようとして、熱をだしているため起こります。
風邪を引いたときに熱が出るのは、体温を高くすることで、自分の免疫力を高めて、体を守ろうとしているんです。体温と免疫力には、とっても深い関係があります。
一方、低体温の方もいらっしゃいますよね。
最近の報告では、現代人の多くは、50年前の人と比べて、低体温の人が増えているといわれています。低体温では、体にどんなことが起こりやすいのか知っていますか?なんとなく、悪いことが起きるんでしょ?と思われる方も多いかもしれません。
そこで、体温と免疫力の関係について、体温が高い場合や低い場合、それぞれの体の中でどんなことが起こるのかを中心に、詳しくお伝えします。
目次
体温と免疫力の関係
免疫力とは、体の中に侵入してきた病原菌やがんなどの異物な細胞に対して、対抗する体の防御システムの力のことです。この免疫力は、人間の遺伝子のレベルでも違いがありますが、多くは、個々の方の体質によって違いがでるといわれています。
つまり、免疫力は、個人の体質を改善すれば、ある程度は良い方向に改善するということになります。
もちろん、改善の幅も個人差はありますが、免疫力が無い状況よりも有る方が体にとっては良いことになります。
この免疫力を高める体質改善の一つに、体温を高くするという方法があります。
え?体温って、大体いつも一定でしょ?高くすることなんてできるの?と思われた方も多いと思います。
人の体はおおよそ、36.0℃~37.0℃程度の平熱をもっていることが多いです。
この体温を1度上昇させるとどんなことが起こると思いますか?
正解は、体温が1度上昇すると、免疫力が5~6倍になるといわれています。また、体の基礎代謝も13~15%アップするともいわれています。
反対に体温が1度下降すると、次の3つのことが起こるといわれています。
- 免疫力が30%低下
- 基礎代謝が13~15%低下
- 食べ物などを消化する酵素の働きが50%低下
つまり、体温が高いほど、免疫力が活発になり、病原菌に強い体になるということです。
風邪などの病原菌が流行する季節には、特に体温を高めて、病気に強い体を準備したいですよね。でも体温を高くするのって、どうすればいいの?と思いますよね。
そこで、次の項では、簡単に体温を高くするための方法について、具体的に紹介していきます。
体温を高める方法
体温を高める簡単な方法を4つ紹介します。
- 42℃のお風呂に短時間入浴する
- 筋肉をつける
- 服を上手に重ね着する
- 食事を良く噛む
それぞれについて詳しく説明していきます。
42℃のお風呂に短時間入浴する
最近、テレビで紹介されている、少し熱い温度のお風呂に短時間入ることで、体の中の免疫力を高めるという方法です。
シャワーだけでなく、お風呂にしっかりと入ることは体温や免疫力のアップに効果的といわれています。
この免疫力をさらに高める方法の一つに、HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法があります。
具体的なやり方は簡単!
- 42℃のお湯のお風呂を入れる
- 肩までしっかりと湯船につかる
- 肩までつかった状態で5分間入浴する
たったこれだけです。42℃のお風呂に肩までつかると、体にストレスがかかります。このストレスによって、免疫力アップや血流を改善する役割のHSPが作られます。
42℃のお風呂ならば5分間だけでOKですが、熱すぎて入れないという方は40℃のお風呂に20分間つかることでも同じ効果が得られます。
私は、とっても冷え性で、お風呂に入った後、すぐに布団に入らなければ、足先が冷えて眠れません。
でも、今は、0歳児育児中で、すぐに寝るというわけにもいきません。そのため、HSP入浴法を試しています。5分間湯船につかるだけでOKな時短入浴なので、一時、パパに子供のお世話を代わってもらうだけで済むのも助かります。
1週間ほど、この入浴法を試したところ、足先などの体が冷えにくくなりました。冷え性で悩む方、ぜひお試しください。
筋肉をつける
体温をあげる方法で最も効果的なのは、体全体の筋肉量を増やすことです。
特に、下半身は、心臓から遠いこともあり冷えやすい部分です。そして、体の筋肉の7割が下半身にあります。
つまり、下半身の冷えが強い人は、足の筋肉を中心に鍛えて、筋肉量を増やすことで、体が温まりやすくなります。
筋肉量が増えることで、体のエネルギー消費量もアップするため、一度筋肉が増えたら、何もしなくてもダイエットできるという一石二鳥の効果もあります。
下半身の鍛え方は、次の3つがおすすめです。
- 四股を踏む
- スクワットをする
- 大股で歩く
私の特におすすめなのは、”四股を踏む“ことです。股関節部分には、体の大切な神経がたくさん集まっているため、そこを積極的にストレッチしながら四股を踏むことで、体の全体に適度なストレスが与えられ、リラックス効果につながります。
でも、四股を踏むのは、日常生活ではやりにくいですよね。生活の中でできやすいことは、”スクワット”や”大股で歩く”ことです。スクワットは、低い場所の物を取るときに意識しながらしゃがむだけですし、大股で歩くも、普段の歩き方を少し変えるだけでOKです。
皆様の生活スタイルに合った方法をみつけてみてくださいね。
服を上手に重ね着する
体温を高くする方法には、体温が逃げにくくする服装をすることも一つです。
寒い時期になるとセーターなどを着たりしますよね。
でも、実は厚手のセーター1枚よりも、薄い服を何枚か重ね着する方が体温が逃げにくいって知っていますか?
人の体温は、服と服の間の空気の層がたくさんある方が、外に体温が逃げていかないということになります。
そのため、セーター1枚よりも、2枚くらい服を重ね着する方が、空気の層が2倍になって温かいという仕組みです。
もちろん、セーターが温かくないというわけではありません。セーターの中に薄い服を上手に重ね着することで、より効果アップするというわけです。
食事を良く噛む
体温を上げる方法の一つは筋肉をつけることです。
筋肉は下半身を中心に鍛えるのがおすすめですと言いましたが、もう一つ大切な筋肉があります。
それは、顔の筋肉です。顔には顎や頬のあたりに大きな筋肉があり、この筋肉は脳に近いため、刺激が伝わりやすいという特徴があります。
顔の筋肉を鍛える簡単な方法は、食事を良く噛んで食べることです。
良く噛んで食べることで、顔の筋肉を鍛えるたけでなく、顔のシェイプアップなどにもつながりますので、これはぜひやるべし!
良く噛むことのメリットについては「たくさん噛むと嬉しい効果がある!~脳の健康・活性化のためにたくさん噛もう~」で詳しく紹介していますので、ご参照くださいね。
⇒ 噛むことの嬉しい効果!脳の健康と活性化に効く理由とは?
まとめ
体温と免疫力の関係は、体温が1℃あがるだけで、免疫力が5~6倍になるなんて驚きですよね。
風邪を引いたりして熱が出るということは、体の自然な反応で、病原菌などの外敵に対して免疫力を高める一つの防御法なんですね。
葛根湯などは、漢方の力で体温を高くして、病原菌に対抗する効果があります。もちろん、体温を高くするということは、必然的に体力を必要としますので、高齢の方や子供には向かない治療法ですけれども。
簡単に言ってしまえば、体力の十分にある大人は、熱を無理に下げる薬を使わなくても、病原菌に勝てる可能性があるってことです。
でも、体温が高い状態が続けば続くほど、体力は消耗して、体が弱ってしまいますので、薬を使うタイミングを見極めるのも大切です。
風邪の引きはじめは葛根湯なんて、製薬メーカーのキャッチフレーズもあるくらいです。熱がある状態に耐えられるのは、風邪の初期と覚えておいてくださいね。
体温と免疫力の関係を知り、熱が出ているときは、体が免疫力を高めているぞ!と応援してあげてくださいね。もちろん、応援とは、無理をせずに、ベッドなどで横になるってことですからね!