「手に職をつけたいけど看護師の資格を取るの大変そうだし、仕事も大変そう」と思っているあなた!
確かに正看護師・准看護師・介護福祉士・ヘルパーなど医療従事者は重労働です。
けれど人のお世話をするのが好きな方なら、きっと満足感を得られる仕事でもあるんです。それに手に職をつけられるのでどこに行っても働ける上、昨今では人手不足のためとても重宝されています。
少しでも興味がある方のために、今回は正看護師よりも比較的取得しやすい資格である、准看護師の資格の取り方についてご紹介します。
目次
働きながら一生の資格が取れる准看護師
今回紹介する准看護師は、働きながら2年間で取れる資格だというのを知っていますか?そして一度取得すれば一生働くことができる資格でもあるのです。
主に定年が65歳ですが、経験豊富な人材はその後もパート職員として継続勤務が可能です。
実際に私の勤めていた病院では73歳で週に2~3日勤務していたベテランの准看護師もいました。
また患者さんにとっても、若手の看護師よりも年配の看護師の方が安心感を得られるというケースも多く見られました。
歳をとってからも医療現場でのニーズは高いというのは魅力的ですよね。
正看護師と准看護師の違い
正看護師と准看護師ってどう違うの?という人も多いでしょう。最初に看護師と准看護師の違いから説明します。
病院にかかる際に一般の人はあまり気にしないでしょうが、正看護師と准看護師では資格が違うのです。
- 正看護師:「国家試験での資格」
- 准看護師:「都道府県知事が行う試験での資格」
どちらも取得してからは、更新手続きなどはありません。
そして、資格が違うということは当然ながら資格取得のための学校もまた違ってきます。
そして資格取得後はそれぞれの医療機関で勤務しますが、業務内容・待遇の違いがあります。
- 正看護師:「医師の指導のもと、医療・看護行為を行い主体的な判断で患者を看護することが可能である」
- 准看護師:「医師と正看護師の指導のもとで業務を行い主体的な判断での看護は認められていない」
上記のように規定されていますが実際の医療現場では、人手不足のため正看護師と准看護師は同じ業務に携わっている場合がほとんどだというのが現状です。
けれど、明確になっている事もあります。
場合によっては看護師長・副師長の下の役職である主任に、准看護師が就いているというケースもありますが、病院全体の看護師たちの責任者である看護部長や、各科の師長・副師長などの役職には正看護師でないとつけません。
また、給与面でも勤務する医療施設にもよりますが基本給で数万円の差が生じます。
准看護師になるための学校
次に准看護師になるためにはどうしたら良いか?ということですが、まずそのための学校に通う必要があります。
准看護師になるための学校には3つの種類があります。
- 中学卒業後⇒高等学校衛生看護科(3年)に入学
- 中学、高校卒業後⇒准看護師専門学校(2年)に入学
- 高校卒業後⇒正看護学校(3年)に入学
1は通常の高等学校と同様です。3は高校卒業生及び、社会人が受験し通常の専門学校と同様となります。
2の准看護師専門学校は「働きながら資格を取ることができる」学校です。今回のテーマとして詳しく説明しますね。
准看護師専門学校の入学試験は中学卒業程度となっています。そのため、中学・高校卒業生から社会人まで幅広い世代の人の入学がしやすくなっています。
実際に私が通っていた時にも、18歳~55歳までの生徒が学んでいました。
准看護師専門学校での教育課程には学校によって2通りがあります。
- 全日制2年間(週3日間 8:30~17:00)
- 半日制2年間(週5日間 13:00~17:00)
どちらも2年生になると、臨床実習になるためそれぞれ決められた病院にて1日中実習となります。
准看護学生は、主に病院に所属し半日勤務しながら通学する人が多いのが特徴です。もちろん強制ではないので、主婦や働いていない人、病院以外のアルバイトをしている人もいます。
けれど病院によっては奨学金制度を利用することができたり、勤務した分の給料も得られるので、社会人から一念発起して准看護師を目指す人にも経済的にチャレンジしやすい環境にあります。
また大きな病院では、同じように所属している学生も多いのでお互いに励まし合えたりして心強いのも魅力です。
准看護師専門学校での教育は、正看護師と違うことを学ぶというよりは、正看護師が学ぶことを広く浅く学ぶという表現の方が近いでしょう。
そのため、深く掘り下げていけるかどうかは本人次第で可能であるということにもなりますね。
准看護師専門学校のメリット・デメリット
【メリット】
- 入学するのが比較的簡単である
- 最短2年で資格取得できる
- 経済的負担が少ない(奨学金・給料)
- 拘束時間が短いため、様々なケースの人に可能性がある
- 医療に携わりながら学べる為、卒業後の即戦力になりやすい
- 働きながら学ぶことで忍耐力がつく
- 様々な世代の同級生がいる為、刺激になり楽しい
【デメリット】
- 正看護師と比べ知識が浅い
- 時として職場での職務・地位などが制限される
- 正看護師との給与面での差がある
- 大学病院や先進医療施設などでは募集がほとんどなく勤務できない
個人的に実感しているメリットとしは、実際に毎日医療に携わりながら学べたので卒業後に准看護師として仕事を始めてからの違和感が無かったということ、働きながら学ぶことで忍耐力がつき同じ環境で励まし合える同期との絆ができたことなどです。
例えば、教科書で学んだことを勤務している病院で、実際に看護師やドクターが行っているのを間近で見ることができたり、質問したりもすることができました。
また、同級生はほとんどが午前中病院に勤務して午後から学校というように同じ環境であったため、仕事の悩みや愚痴などを共有し合うことで大いに励まされました。そのため、卒業後も長く付き合える関係が築けました。
デメリットの給与面での差も資格取得までの大変さなどを考慮するとあまり不満には思いませんでした。
給与アップやスキルアップを目指す人はさらに高等専門学校や、10年間勤務経験があれば入学することができる通信制の看護専門学校への進学にチャレンジすることもできます。
准看護師の卒業後
准看護師専門学校を卒業すると、進む道は2種類あります。
- 准看護師として、各医療機関・介護施設等で勤務する
- 正看護師になるために、高等看護専門学校へ入学する
大勢の生徒が主に1に進みますが、一部の生徒は正看護師になるために、卒業前に高等看護専門学校の受験に合格をすれば入学となります。
正看護師を目指しているなら、「どうして最初から正看護師になる看護学校へ行かなかったのか?」と思う人もいるでしょう。それは人によって以下のように様々な理由があるからです。
- 経済的に3年間無収入になるのは厳しい
- 学力的に入学するのが難しい
- 拘束時間が長いため自分の生活に合わない
- 学費が高い
なお、高等看護専門学校にも同じように、全日制(2年間)と半日制(3年間)とあるので、それぞれの事情に合わせて学校を選ぶことも可能です。
まとめ
いかがでしたか?今回は准看護師について知りたい!という人が主の特集でしたので、准看護師にスポットを当てて紹介しました。
「知らなかった!」という新しい発見はあったでしょうか?
私の周りでも、「働きながら看護師の資格が取れる」ということを「初めて知った」という話をよく聞きました。
様々な方法があるということを知って、「年齢的に無理だろう」「子供がいるから厳しいだろう」と諦めていた人が、チャレンジするきっかけになればと願っています!