睡眠は脳にとって欠かせないものです。身体は横になったり、じっとしていることである程度回復することができますが、脳はそうはいかないのです。
考えたり記憶したりと、脳は起きている時は休まずフル回転しています。身体を動かしたり、何かを見たり聞いたり匂いを嗅いでも脳は情報を処理し続けています。睡眠だけが脳を休めることができる唯一の手段なのです。
そう考えると少しでもいい睡眠をとって、しっかり脳を休めてあげたいですね。
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」、聞いたことある言葉だと思います。この2つで睡眠は成り立っているのです。この2つがどんな役割を持っている睡眠なのかを知ることが、良い睡眠への手掛かりになります。
では、これらがどんな睡眠なのかを確認していきましょう。
目次
レム睡眠の役割
身体を休める眠りですが、意外にも「交感神経系」が活発となり、心拍・血圧・呼吸が増加します。
脳は起きている状態で浅い眠りなので、レム睡眠の時に起きるとスッキリとした目覚めを感じることが出来ます。
レム睡眠中は身体の疲労回復をする眠りであり、脳だけが動いている状態なので、情報処理に専念することができます。レム睡眠時は素早い眼球運動をします。眼球が動くことで脳の視覚に関連した場所が活性化し、視覚系の記憶の情報処理が行われます。
大脳皮質は活動が低下し、論理的思考が出来なくなってしまいますが、過去に体験したことなどを記憶している分野は活動しているので、「夢を見る」ということに繋がるのです。
目を覚ます直前に見た夢は覚えていますよね。私の見る夢はカラーで、自分が実際に体験しているかのように色々考えたりして感情があるので、とてもリアルです。たまに自分の思うように夢を進めてみたりと、夢か想像か…というような都合のいい夢を見たりすることもあります。でもやっぱり論理的な思考ができていないから支離滅裂な夢です。
短時間の睡眠で仕事や勉強の効率が上がるため、最近では「お昼寝」が推奨されています。居眠りのほとんどがレム睡眠だからです。短時間で脳が休息をとれるため、高いパフォーマンスを維持できます。
ノンレム睡眠の役割
脳を休める深い眠りです。「副交感神経系」が活発になります。ちょっとした音などでは起きないくらいぐっすりと眠っているので、起こされてもすぐに行動することができません。
ノンレム睡眠では、普段なかなか休息をとれない脳を休ませながら、起きている間に得たストレスを緩和したり消去したりしています。嫌な記憶や悲しい記憶が鮮明に残らないのはそのおかげです。
徐波睡眠
ノンレム睡眠になってから30分くらいで、ノンレム睡眠の中でも、とても深い眠りである「徐波睡眠」の状態となります。この状態の時に一番『成長ホルモン』が分泌されます。
成長ホルモンは細胞の新陳代謝を促すので、傷ついた細胞を修復したり、皮膚や筋肉、骨などを成長させます。そのため、子どもの成長期にはとても大切なホルモンとして知られていますが、大人にとっても欠かせないものです。細胞を修復してくれるのでアンチエイジングに大切なだけでなく、神経細胞まで修復してくれるのでとても重要です。
徐波睡眠は眠り始めてから3時間のうちに80%~90%現れるので、最低でも3時間は睡眠に時間を取りたいものです。
レム睡眠とノンレム睡眠の違い
以上のように、2つの睡眠の特徴をみていただければ違いは一目瞭然だと思います。
同じように寝ているようでも、睡眠状態の違いによって、身体の中では全く異なる働きがされています。
- レム睡眠
- ノンレム睡眠
身体の休息・回復と、記憶を整理し固定する役割
脳を完全休息状態にし、細胞と脳の修復をする役割
2つの違いは、ただ睡眠が浅いか深いかだけではないのです。
また、私たちは深い眠りを取った方が良いと考えがちですが、実は浅い眠りである、ノンレム睡眠にもとても重要な働きがあるわけです!
まとめ
眠りに入ると、「ノンレム睡眠→レム睡眠」へと睡眠状態が変わっていきますが、この2つを足した睡眠時間は約90分となります。この1セットを「睡眠周期」というのですが、一晩で4回~5回繰り返して朝を迎えます。
人は一生のうちで、1/3~1/4睡眠時間に使っていると言われています。そんなに寝ているの!?と思いましたが、睡眠の役割を見てみると本当にどれも欠かせないものなので、その時間は割いてはいけない最低限度の時間なのだろうと感じました。
身体は動かないけど、身体や脳の中では凄い処理がなされていたのです。時間がない時は、よく睡眠時間を削ってしまいますが、私達は心と体の健康を保つために眠る必要があるのです。
皆さんも良い睡眠をとって、健康的な生活を送ってくださいね!