キシリトールと聞いて、何をイメージしますか?
私は、キシリトールと聞くと、ガムをイメージします。テレビのCMなどでも、キシリトール入りが商品の特徴として紹介されたりしていますよね。
また、CMでは、キシリトールが歯に良いとも紹介されていますよね。キシリトールは虫歯を予防するなど、歯に嬉しい効果があります。
しかし、キシリトールを摂りすぎによる、体調不良などの副作用も報告されています。
ここでは、キシリトールの効果や摂りすぎによる副作用についてお伝えしていきます。
目次
キシリトールの効果
最初にキシリトールの効果について見ていきましょう。
そもそもキシリトールって、どんなものかというと、人工甘味料の一つです。
キシリトールは、果物や木、トウモロコシなどに含まれています。ガムなどに用いられているキシリトールの多くは、トウモロコシから生成されているのが一般的です。
また、キシリトールは砂糖の6割程度の甘味しかありません。さらに、キシリトールを食べると体の中で水と結合して、体の熱を吸収する働きもあるため、食べた際に、すっきりとした清涼感が得られるといわれています。
キシリトールには、次の2つの効果があるといわれています
- 虫歯を予防する
- キシリトール自体は、歯の再石灰化はしない
それぞれについて詳しく説明していきます。
虫歯を予防する
キシリトールには虫歯を予防する効果があります。
歯が虫歯になる原因は、虫歯菌が糖を栄養源にする過程で、酸が発生するためです。元々、歯の一番外側のエナメル質は、刺激などにとても強い存在です。しかし、エナメル質の弱点の一つに酸があります。
虫歯菌によって発生した酸は、歯のエナメル質を溶かしてしまいます。歯のエナメル質が溶かされると、歯の中身はとても柔らかいため、虫歯菌が繁殖しやすいのです。ちょうど、エナメル質の家に窓から虫歯菌が侵入して、家を占領してしまうというイメージです。
このような仕組みで、歯は虫歯になってしまいます。
キシリトールは、虫歯菌が利用できる糖ではないため、酸が発生しにくい状態になります。また、唾液の分泌が低下してくると、口の中が自然と酸性に傾いてしまいます。そこに、キシリトール入りのガムを食べることで、唾液腺を刺激することで、唾液の分泌量もアップさせる効果があります。
つまり、虫歯菌にとってキシリトールは栄養源にもならないし、唾液を分泌されてしまう困った存在なのです。
このような特徴から、キシリトールは、ガムに利用されている甘味料なんですよ。
キシリトール自体は、歯の再石灰化はしない
ガムのCMなどでは、歯の再石灰化を促進するなどと紹介されていることがありますよね。
歯の再石灰化とは、虫歯菌にエナメル質が溶かされるなど、初期の虫歯を治す効果のことです。
CMを見る限りでは、キシリトールに歯の再石灰化を促進するというイメージが付きがちですが、キシリトール本来の効果には、歯の再石灰化を促進する効果はありません。
人の体は、歯の再石灰化を日常的に行っています。これは、唾液や食事などから得たカルシウムが再石灰化を行っています。
キシリトール自体が、歯の再石灰化を行うのではなく、キシリトール入りのガムを食べることで、唾液の分泌量をアップさせることが間接的に歯の再石灰化につながるという仕組みです。
また、最近のガムには、キシリトール以外にカルシウムなどが入っているものもあるため、これらの商品は、歯の再石灰化に効果がある可能性があります。
さてここまではキシリトールの効果を見てきながら、どうしてガムに多く用いられているのかも理解することができました。
しかし、キシリトールの摂りすぎは、体調不良の原因になる場合があります。そこで、次の項では、キシリトールの副作用について、詳しく説明していきます。
キシリトールの副作用
キシリトールの副作用は、次の2つがあります。
- 下痢を起こす
- お腹にガスが溜まる
それぞれについて、詳しく説明していきます。
下痢を起こす
キシリトールの副作用で最も報告されているのが、”下痢を起こす”ことです。
キシリトールは、人間の体では吸収や代謝がされません。そのため、キシリトール自体がそのまま腸内まで届いてしまい、最終的に尿や便に排泄されます。
人の体は、食事を胃や肝臓、膵臓、腸などで、細かく分解して、最終的に体外に排泄します。つまり、腸には、体に吸収されるだけのものしか届かないのがほとんどです。
そこに、全く吸収できないキシリトールが入ってきたら腸はどうするでしょう?キシリトールを吸収しようと一生懸命、働きます。しかし、キシリトールは吸収できないということになると、腸が働きすぎで、疲れてしまい、消化不良を起こしてしまいます。
腸は、小腸と大腸に分かれていて、小腸では主に、食事からの栄養源を吸収し、大腸では、水分を吸収します。
腸の消化不良は、小腸で吸収できない栄養素が増えてしまい、それがそのまま大腸に流れてしまいます。大腸では、栄養源を吸収することはできない上に、水の吸収を栄養源が妨げてしまうため、結果、水が吸収しきれず、下痢となってしまうんです。
お腹にガスが溜まる
キシリトール入りのガムを食べる方で、下痢と同じくらい見られるのが、お腹にガスが溜まるという症状です。
お腹にガスが溜まるというのは、主に次の4つが原因といわれています。
- 炭水化物、芋、豆などの過剰摂取
- 炭酸飲料
- 空気を飲み込む
- 消化されないものを食べる
お腹にガスが溜まる仕組みは、食べ物や消化されないものが、腸内細菌によって発酵する過程で、ガスが発生することです。お腹で発生したガスが、口から出れば、げっぷ、お尻から出れば、おならとなります。
キシリトール入りのガムが該当するのが、”空気を飲み込む”ことと”消化されないものを食べる”ことです。
先の項でも紹介したようにキシリトールは、体に吸収や代謝されない消化不良を起こす存在です。そのため、腸内に到達したキシリトールは、腸内細菌によって、発酵されるターゲットになります。
さらに、ガムを食べるのって、思っている以上に空気を飲み込んでいます。キシリトールガムは、元々、お腹にガスが溜まりやすい存在でもあるんですよ。
まとめ
キシリトールには嬉しい効果もありますが、同時に副作用もあるんですね~。
もう一度おさらいすると、キシリトールの効果は次の2つがあります。
- 虫歯を予防する
- キシリトール自体は、歯の再石灰化はしない
キシリトールは虫歯菌のエサにならないため、虫歯を予防できます。また、キシリトール自体には、歯を再石灰化する効果はありませんが、虫歯菌の活動を抑制することで、関節的に歯の再石灰化に役立つ存在です。
しかし、キシリトールには次の2つの副作用があります。
- 下痢を起こす
- お腹にガスが溜まる
キシリトールは、体で消化や吸収がされにくい甘味料なので、下痢をしたり、お腹にガスが溜まるなど、腸に負担をかけやすい存在です。
そのため、大量かつ急激にキシリトールを摂取することで、下痢やお腹にガスが溜まるなどの症状が起きてしまいます。
また、ガムを食べるという行為も、唾液の分泌量をアップさせたりする嬉しい効果がありますが、大量の空気を飲み込むという残念な効果もあるため、キシリトール入りだからといってたくさん食べるのはやめましょうね。
上手にキシリトールを摂取して、丈夫で健康な歯を手に入れましょう!