何だか息苦しいな…背中が痛い!そんな時、原因は肺気胸の場合があります。肺気胸は、肺の病気で、突然、息苦しいなどの症状がでます。
また、肺気胸は、胸や背中が痛いという症状が、息苦しいと感じる前後に先行して出現することもあります。
私の友人も普通の生活をしていたのに、突然肺気胸を起こし、友人として、とても心配しました。
そこで、ここでは肺気胸とは、肺気胸の症状や病気などについて詳しく説明していきます。
目次
肺気胸になったときにおこる症状
まずは、肺気胸が起こったときの初期症状について知っていきましょう。
初期症状を知っておくことで、肺気胸への早期発見、早期対応につながります。
肺気胸の初期症状には、
- 息を吸っても吸った感じがしない
- 息苦しい
- 咳がよく出る
- 背中や肩甲骨あたりが痛い
というものがあります。
肺気胸は肺に穴が開いているため、吸った空気が漏れてしまいます。そのため、”息を吸っても吸った感じがしない“、”息苦しい“といった症状が現れます。
一方で”咳がよく出る”、”背中や肩甲骨あたりが痛い”といった症状も現れます。
この2つの症状について詳しく説明していきます。
咳がよく出る
肺気胸は肺に穴が開くと説明してきました。
肺に穴が開くのは大半の場合、突然起こるものですが、激しい咳などにより肺の中の圧力が変化すると、肺に穴があいてしまうこともあります。
息もできないくらいの激しい咳がでると、胸のあたりが苦しくなりますよね。このときに肺の中の圧力にも変化が起きてしまい、咳がきっかけで肺に穴が開いてしまうという場合もあるのです。
長引く咳は、肺気胸の場合もあるため、医療機関にて、肺のレントゲンなど検査をうけるようにしましょう。
背中や肩甲骨あたりが痛い
肺に穴が開いた状態で、痛みを発している際に、背中や肩甲骨あたりが痛いという場合があります。
これは、肺気胸の痛みが脊髄を通じて脳に伝わる際に、脳で痛みの情報処理が混乱してしまい、筋肉と内臓の痛みを間違えてしまうのが原因といわれています。筋肉や骨の痛みは、痛みのある個所を押すと痛みが増加しますが、内臓由来の痛みが起きている場合は、押しても痛みは増加しないということも報告されています。
背中や肩甲骨が痛いという方は、その部分を適度に押してみて、痛みの状態を確認してみてください。
肺気胸の症状について説明してきました。これらの症状が起こる仕組みは、肺気胸の病気について学ぶことで、よりイメージがしやすくなります。次の項では、肺気胸の病気について詳しく説明していきます。
肺気胸ってどんな病気なの??
ご存知の通り、肺気胸とは、突然肺に穴が開いて、空気が漏れてしまう病気です。肺は、空気と横隔膜の絶妙なバランスで膨らんだり縮んだりして、酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出すという働きをしています。
しかし、肺に穴が開いてしまうと、空気で肺を満たすことができなくなるので、横隔膜とのバランスが崩れてしまい、膨らんだり縮んだりができにくくなります。
ゴム風船をイメージしてみましょう。
- 穴が開いていないとき
- 穴が開いているとき
空気をいれると膨らみ、指を話すと空気が勢いよく外に出る。
ある程度までは膨らむけれども、MAXまで膨らまない。また、穴が開いているため、指を放しても勢いよく空気は出ていかない。
肺気胸とは、この穴のあいたゴム風船と同じことが体の中で起きているのです。そのため、空気を吸っても十分に吸えないし、十分に二酸化炭素を吐き出すこともできないので、息苦しいと感じることがあります。
さらに、肺の呼吸の仕組みが分かる動画があったので、参考にしてみてください!
肺気胸は、片方の肺に突然起こる場合もありますが、まれに両方の肺におこる場合もあります。片方ならば、健康な肺で呼吸ができますが、両方となってしまうと、呼吸ができないという状態に陥ることもあります。
さらに肺気胸になる原因は、明確にはなっておらず、突然、自然に肺に穴があくというケースが多いとされています。
ここまで、肺気胸の症状や病気について説明してきました。体の中で唯一の酸素と二酸化炭素の交換をしている肺に穴が開いてしまうのは、とっても怖いですよね。肺気胸は安静時におこる場合もあるため、原因が明確にはなっておりません。
しかし、一般的にある特徴の方に多いとも言われています。次に、肺気胸になりやすい人の特徴について、紹介していきたいと思います。自分が、その特徴に当てはまっていて、”息苦しい”、”咳が長引いている”なんて方、もしかして肺気胸かもしれませんよ…。
肺気胸になりやすい人ってどんな人?
ここからは肺気胸になりやすい人の特徴について紹介していきますね。
肺気胸になりやすい人の特徴は
- 女性よりも男性に多い
- 喫煙者に多い
- 10代~20代の人に多い
- 背が高く、やせた方に多い
などがあげられます。
“女性より男性に多い”とされていますが、女性特有の病気が原因で肺気胸となる場合がありますので、次に具体的に紹介していきます。
月経随伴性気胸
女性特有の肺気胸に”月経随伴性気胸“があります。
これは、月経の際に定期的に生まれ変わる子宮内膜の異常増殖が原因です。子宮内膜の異常増殖は、子宮内膜症と呼ばれます。この子宮内膜症が横隔膜に広がることで、月経の周期に合わせて肺にくっついた子宮内膜が剥がれ落ちることで、肺気胸を起こすことが報告されています。
月経前後で、肺気胸の初期症状がみられる方は、一度、検査を受けることをお勧めします。
まとめ
肺気胸の初期症状や背中の痛みなどについて紹介してきました。
肺気胸は、大半が安静にしていて、何の病気も無いように感じるときに突然おこるものです。
私の友人は、授業中に突然、肺気胸を起こしました。友人の話では、眠たかったので大きなあくびをしたら、体の中で“プツッ”という音がして、その後“ブシュー”という音がしたそうです。最初は、なんともないと思ってもすぐに“息ができない”という感覚になったとのこと…。
肺気胸は普段の生活でも起こるため、息苦しいなどの異変を感じたら、速やかに安静にして、医療機関を受診しましょう。
また、子宮内膜症などの別の疾患が原因で肺気胸となる場合もあるため、周期的に繰り返す息苦しさなどがある場合も、その周期をメモし、受診した際に医師に伝えられるようにしましょう。
私の友人は、「授業中なので我慢⇒肺気胸が悪化⇒入院⇒手術」となったそうです。その結果、今も体には、手術の後が残っているそうです。
体の中で一対しかない肺です。異変を感じたら、悪化させる前に速やかに医療機関を受診しましょうね。