テレビCMなどでも耳にするジェネリック医薬品。処方箋をもって、薬局に行くと、やたらとジェネリック医薬品を勧められるという方もいらっしゃると思います。

安いって聞くけど、安くて本当に大丈夫なの?とか疑問はたくさんですよね!

私も薬剤師として患者さんにジェネリック医薬品について説明していました。実はジェネリック医薬品は価格が安いだけじゃないんです。

ここではまだまだよく知られていない、ジェネリック医薬品のメリットとデメリットについて説明していきます。

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目次

ジェネリック医薬品のメリットとデメリット

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まずジェネリック医薬品について説明していきます。

ジェネリック医薬品について知るためには、次の2つのポイントで見ていくとよく分かります。

  • ジェネリック医薬品とは?
  • ジェネリック医薬品のメリット・デメリット


それぞれ詳しく説明していきますね。

ジェネリック医薬品とは?

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最初にジェネリック医薬品ってどんなものなのかをおさらいしましょう。

医薬品の成分は、医薬品メーカーが、有効な成分を発見開発して、医薬品の構造や製造方法、用途について特許権を申請取得します。これを先発医薬品といい、開発した製薬メーカーが特許期間中の20年間は独占的に製造、販売することができます。

特許期間が終了した先発医薬品は、その他の医薬品メーカーが同じ有効成分を製造、販売することができ、これをジェネリック医薬品(後発医薬品)と呼んでいます。ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分で、病気などに対して同じ効果があります

しかし、ジェネリック医薬品の中には、先発医薬品とは異なる製造工程で作っているものもあります。

製造工程といわれてもピンとこない方もいらっしゃると思いますので、カプセル剤を例に説明しますね。カプセルの中の医薬品の有効成分は、ジェネリック医薬品も先発医薬品も同じものが作れますが、カプセル剤は、ジェネリック医薬品と先発医薬品では異なるという状態です。

これは、特許申請が、医薬品の有効成分とカプセルなどの製造工程が別々に承認を受けているため、医薬品の有効成分の特許が切れたとしても製造工程の特許は残っていることがあります。そうなるとジェネリック医薬品を製造する医薬品メーカーは独自の製造工程を確立することになります。

この製造工程などの違いはジェネリック医薬品のメリット・デメリットに影響しますので、次の項で詳しく説明していきます。

ジェネリック医薬品のメリット・デメリット

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次にジェネリック医薬品のメリットやデメリットについて説明していきます。

メリットは、次の2点です。

  • 価格が安い
  • 味や剤型が工夫されている


CMなどでもわかるようにジェネリック医薬品は先発医薬品と比較して価格が安いことがあります。医薬品の価格が安ければ、自己負担額も安くて済むため、経済的負担を減らしてくれます。

また、ジェネリック医薬品を製造する医薬品メーカーは、独自の製造工程を確立していることがあります。そのため、先発医薬品は苦くて、飲むことが苦痛という医薬品でも、ジェネリック医薬品ならば、フルーツの味がする苦みを感じない飲んだ後爽やかというものができるのです。

また、先発医薬品は、硬い錠剤しかなくても、ジェネリック医薬品ならば、ラムネのような錠剤で、口の中で簡単にとけるという剤型が工夫されたものもあります。

一方で、デメリットは、次の2点です。

  • 先発医薬品と製造工程が異なる
  • 流通が悪い


ジェネリック医薬品は先発医薬品と製造工程が異なる場合があります。

先の項で説明したように、有効成分は同じでも、カプセルの部分が異なるという場合があります。このカプセルの部分が異なることでメリットの味や剤型に特徴がでますが、中には、有効成分の効き目が早く出すぎてしまったり効果が出にくいなどの不具合を生じる場合もあります。

また、先発医薬品に比べてジェネリック医薬品は色々な医薬品メーカーが製造しているため、流通が十分ではない場合もあり、患者さんが使いたいというジェネリック医薬品を薬局が入手するのに時間がかかってしまう場合もあります。

というわけで、ここまでは、ジェネリック医薬品についてのおさらいと、メリットとデメリットについて説明してきました。

デメリットがあるとわかると、急にジェネリック医薬品を使うのが怖くなってしまいますよね。

私も薬剤師として働いていた時に、デメリットをお話しすると、皆さん不安に思う方が多かったイメージがあります。そこで、ジェネリック医薬品を使ってみようかなと思う場合は、少しの日数を試すことをおすすめします。

次の項では、ジェネリック医薬品のお試しについて詳しく説明していきます。

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初めて使うときはお試しがおすすめ!

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ジェネリック医薬品を初めて使うときは、少しの日数をお試しすることができます。初めてジェネリック医薬品を使うときは、薬剤師に相談してください。

ジェネリック医薬品のお試し調剤は、次の2つの対応をします。

  • 少ない日数(例えば、30日分の内の10日分など)のジェネリック医薬品を調剤してくれる
  • ジェネリック医薬品を試した後、患者さんに合っているかを薬剤師が判断する


万が一、ジェネリック医薬品が患者さんに合わないと薬剤師が判断したときは、残りの日数(例えば、30日分の20日分など)を先発医薬品で対応することもできます

一方で、ジェネリック医薬品のお試しをする場合は、複数回、薬局に足を運ばなければならいなどのデメリットもありますが、自分の体にあったものを薬剤師が判断・相談に乗ってくれるので、おすすめです。

さて、ジェネリック医薬品は、製造工程を各医薬品メーカーが工夫しています。患者さんの使用感覚の中には、先発医薬品よりもジェネリック医薬品の方が使いやすいという感想をいただいたことがあります。

次の項では、おすすめの使い分けを紹介していきます。

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ジェネリック医薬品を上手に使い分けよう

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ここでは、ジェネリック医薬品の上手な使い分けを紹介していきます。

特に、使い分けを試してみてほしい剤型は、次の2つです。

  • 口の中で溶ける錠剤
  • 塗り薬


それぞれ詳しく紹介していきます。

口の中で溶ける錠剤

先発医薬品は丸ごと飲み込む錠剤しかなくても、ジェネリック医薬品の中には、ラムネのように口の中で溶ける錠剤もあります。飲み込む力は、年齢を重ねるごとに弱くなってくることもあるので、口の中で溶ける錠剤は、唾液と一緒に飲み込むだけでOKなので便利です。

ジェネリック医薬品の医薬品メーカーによっては、口の中で溶けた後の味が、スッとしたり、甘かったりと工夫してありますので、自分にあったジェネリック医薬品を探してみるのもよいと思います。

塗り薬

塗り薬は、先発医薬品とジェネリック医薬品とでは、塗った後の感覚が違う場合もあります。これは私の体験談ですが、保湿剤で、先発医薬品とジェネリック医薬品をそれぞれ試してみました。

先発医薬品は、塗った後、しっとりとしていました。一方でジェネリック医薬品は塗った後、スッとしてサラサラとしたものでした。このように塗った感じが違う場合があるので、好みによって使い分けが可能です

私は、冬の寒い季節は先発医薬品、夏の暑い季節はジェネリック医薬品として、使い分けをしていました。

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まとめ

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ここではジェネリック医薬品のメリット・デメリットを紹介しました。

おさらいするとジェネリック医薬品のメリットは、次の2つです。

  • 価格が安い
  • 剤型や味が色々ある


デメリットは、次の2つです。

  • 先発医薬品と製造工程が異なる
  • 流通が悪い


ジェネリック医薬品は医薬品メーカーによって、薬の製造工程が異なる場合があります。この製造工程が先発医薬品と異なることで、剤型や味に違いが出て、薬が飲みやすい、使いやすいという場合もあります。

また、ジェネリック医薬品は少ない日数や少量をお試しできますので、薬剤師に相談してみてください。

薬は一度、薬局から処方箋の日数や量をすべてもらってしまうと、「やっぱり変更してほしい」ということは通用しません。そのため、お試しでジェネリック医薬品を試して、自分に合ったものを見つけることをおすすめします。

自分にあったジェネリック医薬品の使い方を見つけてみてくださいね!