一般的な人の生活サイクルは、朝明るくなると起きて、正午の12時頃になると、お腹がすいて、お昼ごはんを食べて、夜22時頃から眠たくなってきますよね。

動物は、決まった時間に起きて、決まった時間に眠るというサイクルを毎日繰り返すこともあります。

どうして、同じ時間で行動ができるのでしょうか?これは、体の中にある体内時計が関与しているからです。

体内時計の機能は、時計遺伝子と呼ばれる遺伝子が深く関与しています。時計遺伝子の研究は、現在も日々進められており、色々な種類の時計遺伝子が発見されています。

そこで、今回は体内時計と時計遺伝子の関係や種類について、詳しくお伝えします。

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目次

体内時計と時計遺伝子の関係

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人間の体の睡眠や覚醒などのリズムは、ホルモン分泌や体温の変動によって生み出されます。このホルモン分泌や体温の変動を24時間周期でコントロールしているのが、体内時計です。

体内時計とは、時計遺伝子という遺伝子を含んだ細胞の集まりの機能のことをいいます。

つまり、一般的に体内時計と呼ばれる機能は、細胞の中の時計遺伝子の働きによることになります。

人の体のすべては細胞からできており、細胞は遺伝子という設計図から作られます。この遺伝子の設計図の中に、時計に関連する部分が含まれているため、細胞の中に時計遺伝子が存在することになります。

では、どうして、遺伝子の設計図の中に時計に関連する部分がないといけないのでしょうか?

人の細胞は、ある一定の周期で、新しく生まれ変わります。

わかりやすいのが、垢やフケです。垢やフケは、役割を終えて古くなった細胞が、代わりに新しい細胞に役割を引き継ぐためにボロボロと落ちていきます。この細胞の生まれ変わりの周期をコントロールするために、時計遺伝子は存在しています。

細胞が生まれ変わるためには、タンパク質や睡眠など必要なものがあります。時計遺伝子は、タンパク質を摂取するために、お腹がすいたという指令を出したり、眠たいという指令を出します。

その結果、人は、ご飯を食べたり、眠ったりという行動をすることになります。そう。時計遺伝子に従って過ごすことは、体の細胞を健康で正常に保つことができるってことになりますね。

さて、体内時計と時計遺伝子の関係について知識を得ることができました。

私が身近に感じる体内時計は、腹時計です。お腹がすくと、ぐーっと音で知らせてくれます。時計遺伝子って、体の中にもっとたくさんの種類があるんです。

でも、時計遺伝子については、まだ研究段階で、詳細が明らかになっているものと、そうでないものがあります。

そこで、時計遺伝子の種類について、主な2つを次の項で紹介していきます。

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時計遺伝子の種類

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時計遺伝子は、大きく分けて、2つの種類があるといわれています。

  • 中枢時計
  • 末梢時計


それぞれについて詳しく説明していきます。

中枢時計

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中枢時計は、脳内の視床下部に存在するといわれており、あとで紹介する末梢時計の時刻を統括し、コントロールする働きがあります。

その周期は25時間といわれており、古くから、発見されており、色々な研究がされていました。

え?1日は24時間周期でしょ!これでは、どんどん時計がくるっちゃうじゃない!と思われた方、いらっしゃいますよね。安心してください。中枢時計は25時間周期ですが、毎朝、朝日を浴びることで、24時間周期にリセットされるという仕組みがあります。

特に、目でしっかりと朝日を認識することで、脳内に朝だ!という信号が送られ、中枢時計のリズムが調整されます。

人は朝から起きて活動することが本能的に必要と理解しているんですね。

末梢時計

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末梢時計は、脳以外に存在する体内時計の総称です。

つまり、胃や肝臓、腎臓、肺など体の各臓器で、24時間のリズムを刻んています。

最近の研究では、中枢時計の末梢時計をコントロールする機能が、正常に働かず、ずれが生じてしまうことがあるといわれています。

もし、胃と肺の末梢時計がずれてしまって、バラバラに時間を刻んでいたら…、胃はお腹がすいたといっても、肺は眠たいなんてことになったら、困ってしまいますよね。

末梢時計が中枢時計と同調して24時間を刻んでいくために必要なことは、食事なんです。1日3回の規則正しい食事が、末梢時計と中枢時計のずれを予防する働きがあるといわれています。

1日3回の食事の中でも、特に朝ご飯はとっても大切です。理由は朝が最も中枢時計と末梢時計のずれが大きいためです。

先の項でも紹介しましたが、中枢時計は朝日を目で確認しないと、リセットされません。

末梢時計を中枢時計と同調させるためには、次の2つがポイントです。

  • 起床後、1時間以内に食事を取る
  • 炭水化物をしっかり摂取する


それぞれについて、詳しく説明します。

起床後、1時間以内に食事を取る

朝ご飯を、起きてから1時間以内に食べると、末梢時計がリセットされやすく、中枢時計と同調しやすいといわれています。

朝ご飯を食べないという方は、末梢時計と中枢時計がバラバラになりやすいため、ホルモン分泌などに支障が出て、病気になったりするといわれています。

炭水化物をしっかり摂取する

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朝ご飯のメニューもとっても大切です。

朝ご飯には、炭水化物をしっかりと摂取することで、末梢時計がリセットでき、中枢時計と同じように時間が進むようになります。脳にとって、炭水化物は唯一の栄養源です。そのため、朝ご飯に野菜ジュースだけでは、脳の栄養素の糖分不足になってしまいます。

中枢時計は、脳のエネルギーだけでなく、体を動かそうと指令を出し始めるため、炭水化物をしっかりと取ることが大切です。

でも、そんなこと言われても、朝からご飯を食べるのは苦手という方は、野菜ジュースなどにフルーツをプラスしてみてください。フルーツには、果糖と呼ばれる糖分が豊富に含まれています。朝の糖分不足を補ってくれます。

さらに、朝は、中枢時計が体温調節に働きかけて、体温を上げようとしています。そこに、冷たいものやフルーツを食べてしまうと、体を冷やしてしまいます。

そこで、おすすめなのは、フルーツを少しだけ、電子レンジで温めてみてください。温めすぎは、美味しさが半減してしまうものもあるので注意してください。

また、温かいスープなどと一緒にフルーツを食べるのもGOODですよ!

とにかく、体を冷やさないように、フルーツの糖分を得ることが、体内時計のリセットにとっても効果的です。

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まとめ

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体内時計は、細胞の中の時計遺伝子が関与していたのです。

さらに、時計遺伝子には、中枢時計末梢時計の2種類があります。お腹が空くとぐーっと知らせてくれる腹時計は、末梢時計だったんですね。

この末梢時計は、色々な臓器にあるため、バラバラに動いてしまわないように、中枢時計が音頭をとって、動かしているといわれています。

しかも、1日1回、朝のタイミングで、中枢時計も末梢時計もリセットされ、新たな時を刻み始めます。昔から言われている、早起きは三文の徳という言葉は、本当に深い意味がある言葉なんですね。

体内時計が狂ってしまうと、体の中のホルモン分泌や細胞の新陳代謝にも影響を及ぼしてしまいます。

当然、健康な体ではなくなる可能性が高くなってしまうので、皆さんも夜更かしはせず、規則正しくい生活をしてくださいね!