天候などに収穫が左右されやすい野菜は、スーパーなどでは、価格が高騰していることもありますよね。
高いからといって、野菜を食べないわけにはいきません。日本人は欧米などの肉食文化の人と違って、野菜を摂取しないと体内のバランスが取れにくいという報告もあるんですって。
とにかく、健康のためにも野菜はしっかりと食べたいもの。スーパーの特売などを上手に利用して野菜をまとめ買いをしたのはいいけれど、冷蔵庫に入れたらいつも間にか傷んでいたなんて経験ありませんか?
もちろん、毎日スーパーで必要な量の野菜だけ購入できればよいのですが、それもなかなか難しいですよね。
野菜は種類などによって、適した保存方法があるんです。ここでは、常温や冷蔵庫の冷蔵・冷凍で保存するなど、おすすめな野菜の保存方法の一覧をお伝えします。
目次
野菜の保存方法のポイント
野菜の保存方法の一覧について知る前に、野菜の保存方法のポイントについて学びましょう。
ここでは野菜の保存方法のポイントを説明するのですが、本来野菜は、保存に向いた食材ではありません。その理由は、野菜は鮮度が落ちやすく、時間が経てばたつほど、水分などが減ってしまいます。野菜を美味しく食べるためには、スーパーで使いきりサイズのものを購入して、すぐに食べることがポイントでもあります。
ここで紹介する方法は、できるだけ野菜の美味しさを失わないように、かつ、できるだけ長く保存する方法のポイントを説明していきます。
野菜の保存方法は、常温、冷蔵庫の冷蔵室、冷凍室の3個所があります。
この3個所では、温度変化などで傷みやすい食材ほど、冷凍>冷蔵>常温の順で保存していきます。基本的な保存方法はスーパーで野菜が売られている場所が参考になります。スーパーで常温で売られているものは、家庭でも常温保存ができます。一方、陳列棚に氷があるなどの冷たい場所に陳列されているものは、家庭でも冷蔵または冷凍保存するようにします。
野菜は、急激な温度変化に弱いため、スーパーの冷所で保存されているものは、速やかに自宅に帰ってから、冷蔵庫または冷凍庫にいれるようにするのも、鮮度を落とさないようにするポイントです。
冷蔵庫の野菜室は、通常の冷蔵庫よりも少し温度が高めに設定されていて、野菜に適した温度といわれています。もちろん、野菜室での保存に向かない野菜もあります。最近のハイテクな冷蔵庫の野菜室は、入れるだけで野菜の栄養素を高めてくれるような機能もあるようです。
野菜室がある方は、上手に利用して野菜の鮮度を保ちながら保存してみましょう。
また、野菜の保存方法のポイントには、野菜をエチレンから守ることもあります。このエチレンは野菜を老化させる原因になります。
野菜の呼吸数が増えるとエチレンも増えると言われています。野菜の呼吸数は、明るく日光が当たる場所や、温度が高くなると増えるため、これらを基本的に避けた場所に保存することが大切です。
野菜の保存方法のポイントで紹介した、常温、冷蔵、冷凍の3個所の保存に適した食材について、ここから詳しく説明していきます。それぞれの保存場所に適した、普段よく利用する野菜の一覧も整理して紹介しますので、参考にしてくださいね。
常温保存に適した野菜
常温保存に適した野菜は、土の中で育つ根菜、野菜そのまま丸ごとのものがあります。
土の中は、基本的に冷蔵庫よりも高い温度に保たれていることが多いため、野菜室に入れてしまうと根菜にとっては冷たすぎるんです。
また、冬に旬を迎える野菜は、元々寒い外気にさらされて育っていますので、冷蔵庫が今度は温かいと感じてしまうこともあるため、これも野菜の鮮度を落としてしまう原因になります。
常温保存が適した普段よく使用する野菜の一覧は次のようになります。
- 泥付きで売られているもの
- 乾燥した状態で保存した方がよいもの
- 冷蔵保存では冷たすぎるもの
- その他
じゃがいも、さつまいも、ごぼう、人参、長ネギ、大根など
たまねぎ、にんにくなど
トマト、きゅうり、なす、ピーマンなどの夏野菜、生姜など
かぼちゃ、白菜など
泥付きで売られているものは、泥がついたままで保存しましょう。かつ、土に埋まっている状態、例えば長ネギなどは立てて保存すると、野菜が土の中にいると感じて、鮮度が落ちにくくなるといわれています。
また、冷蔵庫内は、一定の温度と湿度が保たれてしまうことが野菜にとって、ストレスになるものもあります。たまねぎやにんにくは乾燥している状態を好みますので、冷蔵庫にはいれないようにしましょう。
意外だなと思うのが夏野菜ですよね。もちろん、夏野菜といっても真夏に常温放置は危険ですが、基本的に夏野菜は温かい状況を好みます。そのため、冷蔵庫内では冷たすぎてしまう場合があります。特に、八百屋さんなどで常温で夏野菜を購入した後、冷蔵庫に入れると、野菜は温かい状況から一気に寒い状況になります。
人間も暑かったり寒かったりすると風邪を引いてしまいますよね。野菜にも同じことがいえるんです。
これらの野菜は基本的にまるごと保存します。一部をカットしたりすると、常温での保存には向かないため、冷蔵庫に保存するようにしましょう。
冷蔵保存に適した野菜
冷蔵保存に適した野菜の一覧は次のようになります。
- 葉物
- 触って柔らかいもの
- カットした野菜
レタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜、セロリなど
オクラ、キノコ類、かぶなど
常温保存がおすすめの野菜もカットしたものは冷蔵保存
冷蔵保存に適した野菜は、葉物全般です。葉物は、温度変化に敏感で、鮮度が落ちやすいといわれています。また、葉の部分から水分が蒸発しやすいため、冷蔵庫で保存する際も、キッチンペーパーなどでくるんで、密閉袋のジップロックなどに種類ごとに入れて保存するのがおすすめです。
また、芯や葉がついていると、食べる部分から必要な栄養素を吸い取られてしまうこともあるため、それらを除去して保存します。例えば、レタスやキャベツは芯の部分をくりぬいてから、かぶも葉と実を切り分けて保存するようにします。
触って柔らかいおくらやキノコは、水分量も多いため、傷みやすい食材ですので、冷蔵庫にいれて保存します。
根菜についても、泥を洗い落としたり、カットした場合は、ジップロックなどに入れて冷蔵保存しましょう。
冷凍保存に適した野菜
冷凍保存に適した野菜の一覧は次のようになります。
- 葉物
- キノコ類
- その他
ほうれん草、小松菜など
椎茸、エリンギ、舞茸、えのきなど
もやし、ねぎ類など
冷凍保存に適しているのは、葉物やキノコ類があります。「さっき冷蔵保存でもいいっていったじゃない!」と思われた方もいらっしゃると思います。
もちろん、冷蔵保存でもOKなんですけど、すぐに使わない場合は、これらの食材は冷凍保存した方がおすすめです。その理由は、冷蔵庫に入れていてもすぐに傷んでしまうからです。
葉物類やねぎは、使い切りサイズにカットして、キノコ類は石づきを切って保存します。またもやしについても水気をしっかりきって保存しましょう。
野菜を冷凍保存するときのメリットとデメリットがありますので詳しく説明していきます。
冷凍保存のメリット
野菜を冷凍保存するのきのメリットは、キノコ類にはうれしい効果があります。
キノコ類は冷凍することでうまみ成分がアップするといわれています。
キノコ類のうまみ成分は、50℃以下では旨味成分を分解してしまうエステラーゼという酵素が冷凍により効果が無くなるため、うまみ成分は約3倍に増加します。
冷凍保存のデメリット
野菜を冷凍保存するときのデメリットは、水溶性ビタミン(特にビタミンC)が壊れやすいことがあります。
冷凍保存すると水分が蒸発しやすくなるため、水溶性ビタミンもそれとともに失われてしまいます。ただ、中には脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kなど)を多く含むもの(人参やパプリカなど色の濃い野菜)は冷凍しても栄養価が大きく落ちることはありません。
冷凍保存で失われた水溶性ビタミンCは新鮮な生野菜や果物から摂取することができるため、食卓にはバランスよく組み合わせて使用するようにしてくださいね。
まとめ
野菜の保存方法を、常温、冷蔵、冷凍の3個所にわけて、普段よく使用する野菜の一覧を紹介しました。
野菜の保存方法は次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 常温保存
- 冷蔵保存
- 冷凍保存
根菜、乾燥を好むもの
カットなど加工した野菜、葉物、水分量の多いキノコ類
お浸しなどの葉物、キノコ類
おおよそ、これらのポイントと食材を覚えておけば、野菜をまとめ買いしても無駄なく使い切ることができます。
野菜は、冷蔵庫ならばおおよそ1週間、冷凍庫ならばおおよそ1ヶ月を目途に使用するようにしてくださいね。
上手に保存方法を選びながら、美味しく野菜をモリモリ食べましょう。