テレビなどでも話題になった唐辛子ダイエット、皆さん、覚えていらっしゃいますか?

唐辛子に含まれるカプサイシンには、発汗作用などの効果があるとされ、これがダイエットに効果的と紹介されていました。

でもちょっと待ってください。カプサイシンによるダイエット効果って、かなりの量の唐辛子を摂取しないとダイエット効果が得られないという報告もあります。

唐辛子って、食べると舌がピリピリして痛く、辛いですよね。この唐辛子の辛味成分がカプサイシンなんですが、舌がピリピリするということは、体内の食道や胃にもピリピリの刺激が伝わっているんです。

辛いものが好きだ、得意だという方もいらっしゃると思いますが、食道や胃に全く負担がないわけではないんですよ!

ここでは、カプサイシンによって得られる効果と副作用について、詳しく紹介しながらお伝えしていきます。

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目次

カプサイシンの効果

最初にカプサイシンの効果について学びましょう。

カプサイシンの効果は、主に次の2つがあるといわれています。

  • 発汗作用
  • 食欲増進作用


それぞれについて詳しく説明していきます。

発汗作用

カプサイシンには、発汗作用があります。カプサイシンを少量とるだけでも辛味を感じますよね。

この辛味の刺激が脳に伝わり、脳からアドレナリンが分泌されることにより発汗するといわれています。しかし、このアドレナリンは直接、汗を出す効果はないため、正直、カプサイシンによる発汗効果は、どのようなメカニズムで起こっているのか、まだ明確になっていないというのが現状です。

この発汗作用がダイエットになるのではということで、唐辛子ダイエットが注目されました。

もちろん、発汗することで、体内の水分が外に出ていくため、体の中の余分な水分量が減少します。さらに、カプサイシンの刺激が脳に伝わりアドレナリンが出ると、体がエネルギーをたくさん作り出そうとするため脂肪の燃焼も高まります。

しかし、これはカプサイシンを取ると体の中で起こる現象で、目に見るほどの体重減少、脂肪減少の効果があるとは言い難いのが事実のようです。

というのも、カプサイシンによる体重減少や脂肪減少効果は、大量のカプサイシンを摂取して得られたものであったり、動物を対象にした研究報告であることが多いためです。

カプサイシンの発汗作用にダイエット効果はないとはいいませんが、ダイレクトに効果があるのかは、まだまだ明らかになっていないというのが現状です。

食欲増進作用

カプサイシンには、食欲増進作用があります。

夏バテや体が疲れてしまったりすると食欲が落ちてしまうことってありますよね。カプサイシンは、舌や胃の粘膜を刺激して、失った食欲を取り戻す、食欲増進作用があります。

この食欲増進作用は、ピリッと辛い程度を普通量食べた際に得られる効果です。猛烈に辛いものや大量のカプサイシンを摂取した場合は、反対に食欲が抑制されるという効果が起こります。

これは、大量のカプサイシンの刺激が胃などの粘膜を破壊し、食欲増進のホルモンが正常に分泌できないようにしてしまうため、結果、食欲が低下するという仕組みです。

こんな状態は、当然、健康とはいいがたいですよね。実はカプサイシンって、少量ならば、適度な刺激が健康にしてくれますが、大量に摂取すると刺激が強すぎて、不健康になってしまうんです。

次の項では、カプサイシンの副作用について詳しく説明していきます。

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カプサイシンの副作用

カプサイシンの辛味は、適量ならば、辛いと感じますが、大量の場合は、辛いを通りこして痛いと感じてしまうことがあります。

テレビなどで激辛料理が紹介されるときって、食べた人が痛い痛いって叫んでいるのを見たことありますよね。人の体が痛みを感じるということは、体に危険が迫っている信号です

痛みを感じる程、カプサイシンを摂取した場合は、次の6つの副作用が起こる可能性があることが報告されています。

  • 食道・胃腸・大腸炎
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 食道がん・胃がん
  • 味覚障害


もちろん、これらの病気の全てがカプサイシンを摂取することで起こるというわけではありません。しかし、これらの病気のほとんどが、口から摂取した食べ物が触れる個所に起こります。辛い食べ物の刺激によって、病気の発症リスクが高まるのです。

カプサイシンの刺激は、食道や胃などの消化器系の粘膜にダメージを与えます。そして、慢性的に粘膜にダメージが与えられ続ければ、正常な細胞が作られなくなり病気となるのです。

これらの副作用は、通常、適量のカプサイシンを摂取するだけならば、なんの問題もありません。しかし、唐辛子ダイエットや激辛料理が大好きという方は、必要以上にカプサイシンを摂取してしまうことになります。

辛さを感じる程度は、人それぞれですが、食道や胃の粘膜へのダメージは皆さんほとんど共通ですので、激辛料理が平気だからといって、食道や胃にダメージは受けないというわけではないので注意が必要です。

このカプサイシンの副作用を説明すると、なんだか唐辛子を食べるのが怖くなってしまいますよね。そんな方は次の3つのポイントを押さえながら、カプサイシンを取り入れてみてください。

  • 食材の味を感じることができる程度用いる
  • 唐辛子を丸ごと使う
  • 少量を数回に分けて食べる


それぞれについて詳しく説明していきます。

食材の味を感じることができる程度用いる

唐辛子を料理に用いる際には、食材の味を感じることができる程度、ピリ辛程度を目安に用いるようにします。

さらに、味付けが濃いものに唐辛子を加えると、辛味を感じにくくなってしまうため、通常よりも多くのカプサイシンを摂取してしまいます。

カプサイシンの量を抑えたい方は、味付けの濃くない料理に用いるようにしてください。

唐辛子を丸ごと使う

唐辛子のカプサイシンは、刻んでしまうと大量に料理に溶け出してしまいます。そのため、カプサイシンの量を抑えるためには唐辛子を丸ごと料理に使うことがおすすめです。

また、刻んだ唐辛子を用いる場合も、カプサイシンが溶け出した油などのエキスならば、胃腸への負担は軽減するといわれているため、刻んだ唐辛子は少量食べる程度に抑えることもポイントです。

少量を数回に分けて食べる

何事もそうですが、一度に大量に摂取すれば、体に負担になってしまいます。

そこで、カプサイシンも少量を複数回にわけて食べるようにすることで、体への負担を軽減することができます。

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まとめ

カプサイシンの効果や副作用について説明してきました。

適量のカプサイシンの効果には、発汗作用食欲増進作用があって、体を健康にしてくれます。

しかし、大量にカプサイシンを摂取してしまうと、胃腸に負担をかけ、胃腸炎や胃潰瘍などの副作用を起こしてしまうともいわれています。

カプサイシンは、人の体にとって、少量の刺激ならば健康になるけれども、大量に摂取すれば、危険で病気の元になるリスクを高めてしまうんですね。

どんなものでも、食べ過ぎは体に毒です!激辛料理が大好きという方は、少し食べる頻度を調節することで、体に負担を減らすことができます。

無理せず適度な辛さの料理を食べるように、ぜひ調節してみてくださいね。