緑茶などを飲むときって、独特な渋みを感じますよね。この渋みのもとは、タンニンなんです。
しかもこのタンニン、体にはとってもよい効果がいっぱいなんです。
私は、お茶どころ出身で、朝昼晩と必ず緑茶を飲みます。渋み少な目のお茶も好きですが、濃くて目が覚める渋さのお茶も大好きです。
毎日、飲むだけで体が健康になるなんて、簡単で嬉しいですよね。
ここでは、タンニンの効果効能について、詳しく紹介していきます。
目次
タンニンの効果効能を知ろう
最初にタンニンの効果効能について学びましょう。
タンニンには、次の3つの効果効能があります。
- 抗酸化作用
- 収斂(しゅうれん)作用
- 美白作用
それぞれについて詳しく説明していきます。
抗酸化作用
タンニンの最も注目すべき効果に抗酸化作用があります。タンニンは、ポリフェノールの一種で、渋みのもとになります。植物は、外敵から身を守るために、皮などの表面にポリフェノールを作り出しています。
タンニンの渋みも外敵から身を守るために作り出されている成分の一つです。
タンニンなどのポリフェノール全般には、抗酸化作用があります。人の体は、ストレスや疲労が溜まってくると、活性酸素が発生してしまいます。この活性酸素は細胞の代謝を阻害するなど細胞を老化させる効果があります。
タンニンにも活性酸素を除去する効能があります。そのため、体の老化を防ぐことができるといわれています。
収斂作用
タンニンには収斂作用があります。収斂作用とは、タンパク質と結びついて、タンパク質を変性させる効果のことです。
タンニンって、化粧水や乳液などに含まれているって知っていますか?これは、タンニンの収斂作用を利用して、毛穴や皮脂腺を引き締める効果を目的に使われています。
タンニンは、皮膚だけを収斂するのではなく、体の中に取り込まれると、腸の粘膜も刺激して引き締める効果があります。
腸の粘膜が引き締められると、下痢の症状を緩和する効果もあるため、漢方薬などで下痢に用いるものにはタンニンが含まれている場合があります。
美白作用
タンニンには、美白作用があるといわれています。
タンニンには、メラニンの増殖を抑制する効果があるとされているため、シミやくすみの症状を軽減、予防することができるとされています。
さて、ここまではタンニンの効果効能について説明してきましたが、タンニンには抗酸化作用に加えて、収斂作用や美肌作用など嬉しい効果がたくさんあります。
タンニンは緑茶などにも含まれているため、普段から摂取しやすい成分でもあります。タンニンには、タンパク質を変性させる収斂作用があるため、取り過ぎは、体に悪影響になる場合があります。
そこで、次の項では、タンニンの取り過ぎによる副作用を詳しく紹介していきます。
タンニンの副作用
タンニンの副作用は、次の2つがあります。
- 便秘
- 非ヘム鉄の吸収抑制
それぞれについて詳しく説明していきます。
便秘
先ほどの項でも紹介したように、タンニンの収斂作用は、皮膚を引き締めるだけでなく、腸に作用して下痢の症状を緩和、軽減する作用があると説明しました。
つまり、タンニンを取り過ぎてしまえば、腸壁を収斂させすぎてしまい、その結果、便秘の症状が出てしまう場合があります。
下痢や便秘などの症状は、人によってとても個人差が大きいため、タンニンをどのくらい摂取したら症状がでるのかは明らかにはなっていません。
普段よりも、緑茶や紅茶などのタンニンを含む食材を多く摂取した際に、便通が乱れた場合は、タンニンの影響の可能性があります。
非ヘム鉄の吸収抑制
薬を飲むときは、お茶を避けて、水またはぬるま湯で飲むようにしてくださいと薬局で説明されたことありますよね。
実はお茶などに含まれるタンニンは薬やサプリメントの中の成分と結合してしまい、効果を無くしてしったり、体に吸収できない形にしてしまうことがあります。
この作用が顕著にみられるのは、非ヘム鉄の吸収抑制です。
ヘム鉄とは鉄剤の成分の一つで、貧血などの治療で用いられます。鉄剤は、体の中で、ヘム鉄や非ヘム鉄の状態をいったりきたりします。
タンニンは非ヘム鉄と結合してしまい、体に吸収されない成分に変えてしまいます。鉄剤のサプリメントや治療薬をお茶と一緒に飲んでしまうと、せっかくの効果が減ってしまう可能性がありますので、飲まないようにしてくださいね。
というわけで、タンニンの取り過ぎは体に便秘などの症状を起こす可能性があることがわかりました。色々な個所で、タンニンは緑茶に含まれている、普段から摂取しやすいなどと説明してきましたが、具体的にどのような食材にどのくらい含まれているのか気になりますよね。
そこで、次の項では、タンニンが含まれている食材の含有量を詳しく紹介していきます。
タンニンが含まれている食材
タンニンが含まれている食材は、次の7つがあります。
- 渋柿
- ワイン
- 栗の皮
- コーヒー(100mL当たり):70mg
- 緑茶(100mL当たり):70mg
- 紅茶(100mL当たり):100mg
- 麦茶(100mL当たり):10mg
渋柿やワイン、栗の皮は食べたり飲んだりすると渋いなと感じることがありますよね。これらの食品は、品種などによってタンニンの含有量が異なりますので、具体的な数値にはかなり幅があります。
とにかく、食べたり飲んだりして渋いなと感じるものにはタンニンが含まれていると考えてください。
また、私達が普段飲んでいる○○茶とつくもののほとんどにはタンニンが含まれています。タンニンを多く含むのは紅茶です。そのため、紅茶などで薬を飲めば当然、先ほどの効果が半減する原因になりますので注意してください。
また、緑茶は、入れる湯の温度によってもタンニンの抽出量が変化する特徴もありますので、お示しした数値は目安としてとらえてくださいね。
まとめ
タンニンの効果効能については、次の3つを紹介しました。
- 抗酸化作用
- 収斂(しゅうれん)作用
- 美白作用
タンニンは化粧水や乳液などにも用いられることがあり、皮膚への嬉しい効果がたくさんあります。また、体の中から細胞の老化を防ぐ抗酸化作用もあるので健康にはとってもよい成分です。
しかし、タンニンを取り過ぎてしまうと、便秘の症状が出てしまう場合もあります。また、タンニンを含む飲み物と薬やサプリメントを一緒に飲むことで、得たい効果が半減してしまう場合もあるため、注意が必要です。
タンニンは適量をバランスを取りながら上手に摂取してみてくだいね。