玉ねぎをみじん切りにしたりするときに、目が痛くなって、涙が出てしまうことってありますよね。
私は、玉ねぎそのものを持っていても目は痛くならないのに、刻んだりすると途端に目にしみるのはどうしてだろう?と疑問に思っていました。
この玉ねぎの刺激成分の正体は硫化アリルといわれています。硫化アリルには、体に嬉しい効果があります。でも、硫化アリルは、調理方法を間違えてしまうと、成分のほとんどを摂取できなくなってしまうんです。
そこで、ここでは、玉ねぎの硫化アリルは加熱調理が適しているのかなどを中心に詳しくお伝えしていきます。
目次
硫化アリルは加熱調理OKなの?
テレビ番組などでは、玉ねぎを食べると血液がサラサラになるなどと紹介されることが多いですよね。
その玉ねぎの血液サラサラ効果のほとんどは、硫化アリルによる効果なんです。硫化アリルには、血液を固まらせるのを抑える効果があるため、血液をサラサラにしてくれます。
さらに、硫化アリルには悪玉コレステロールの働きを抑えたり、減らす効果もあります。そのため、善玉コレステロールの量が増え、活発になることで、動脈効果などの生活習慣病を予防する効果もあるといわれています。
硫化アリルは、体の栄養源などを運ぶ血液の健康を保ってくれる作用があるんですね。また、硫化アリルには、ビタミンB1の吸収も高める作用があるといわれているため、疲労回復などの効果もあります。
体にとって大活躍の硫化アリルは、玉ねぎを食べるならば、たくさん摂取したいですよね。
少し横道にそれますが、皆さんは、玉ねぎを生で食べた時と、加熱調理したときの味の変化、わかりますよね。
生で食べると、玉ねぎの独特な香もしますし、辛味成分を強く感じますよね。一方、加熱調理をすると、玉ねぎの香もしますが、辛味はなくなり、甘味を感じるようになります。
飴色玉ねぎなんて、甘くて美味しいですよね。カレーなどのコクを出すとっても重要な役割があります。
このように玉ねぎの成分は加熱調理によって変化するんです。では、硫化アリルを加熱したらどうなるかということですが…
硫化アリルは加熱調理すると、成分のほとんどがなくなってしまいます。
硫化アリルは成分が水溶性のもので、水に溶けやすい性質があります。そのため、加熱調理や水につけたりすると、硫化アリルが蒸発してしまったり、水に溶けだしてしまうことになります。
試しに玉ねぎを刻んで水にさらしてみたものと、そのままのものを食べ比べてみてください。水にさらした方が辛味を感じにくくなると思います。それは、水に硫化アリルが溶け出して辛味の成分が少なくなっているためなんです。
玉ねぎを加熱して甘くなるのは、硫化アリルなどの水溶性の成分が蒸発して、玉ねぎの糖の甘味がより強く感じられるようになるためといわれています。
玉ねぎには、硫化アリルといっても、色々な種類の硫化アリルがあるため、加熱調理に耐える硫化アリルも存在します。そのため、一概に加熱調理は不可とはいいませんが、より多くの硫化アリルを摂取するならば、玉ねぎを良く刻んでそのまま食べるのがおすすめです。
硫化アリルと加熱調理の関係についてわかりましたよね。硫化アリルは、現在も色々な分野で体への効果などについて研究や調査がされています。
そこで次の項では、硫化アリルの体への効果効能について詳しくお伝えしていきます。
硫化アリルの効果効能
硫化アリルの効果効能については次の5つが報告されています。
- 血液をサラサラにする
- 疲労回復作用
- 悪玉コレステロールの増加を抑制
- 消化液の分泌を活発にする
- 免疫力アップ
最初の3つ、”血液をサラサラにする”、”疲労回復作用”、”悪玉コレステロールの増加を抑制”については、別の項で紹介しましたので、ここでは、それ以外の2つについて、詳しく紹介していきます。
消化液の分泌を活発にする
玉ねぎの硫化アリルには、消化液の分泌を活発にする働きがあります。これは、口に含んだ際に辛味成分が脳に刺激を伝えて、脳から唾液や胃液などの消化液の分泌を活発にするように信号がでます。
消化液の分泌が活発になれば、口や胃も食べ物がくるぞ!と準備ができるため、食欲も増加するという効果もあります。
夏バテをしているときなど、薄くスライスした玉ねぎをサラダに少し添えるだけで、食欲アップが期待できます。また、胃もたれしそうな、油ものにサルサソースなどの玉ねぎをみじん切りにしたソースをトッピングするたけで、あっさりと消化不良にもならずに済みます。
免疫力アップ
玉ねぎの硫化アリルは、免疫細胞の白血球やリンパ球、NK(ナチュラルキラー)細胞などの働きを活発にする効果があるといわれています。
これらの免疫細胞は、風邪などの外部からの侵入者の排除に関わる重要な存在です。硫化アリルを摂取するだけで、これらの免疫細胞を活発にできるなんて嬉しいですよね。
特に、NK細胞は、がん細胞を撃退する免疫細胞なので、硫化アリルの効果は注目されています。
まだまだ、どのくらいの量の硫化アリルを摂取したら、どのくらいの効果があるのかは明確になっていませんが、普段から玉ねぎを食べて、いざというときに備えておくことはできますよね。
まとめ
玉ねぎの硫化アリルは、水溶性のため加熱調理によってほとんどの効果が失われてしまうということを紹介しました。
硫化アリルの効果を最大限得るためには、玉ねぎをよく刻んで、そのまま食べることがおすすめです。もちろん、加熱調理に強い硫化アリルの種類も玉ねぎに含まれていますので、生のままは苦手という方は加熱調理したものを食べるのでもOKです。
硫化アリルには、次の5つの効果があるといわれています。
- 血液をサラサラにする
- 疲労回復作用
- 悪玉コレステロールの増加を抑制
- 消化液の分泌を活発にする
- 免疫力アップ
こんなに嬉しい効果がいっぱいならば、玉ねぎをいっぱい食べればいいのよね!と思われる方もいらっしゃると思いますが食べ過ぎは栄養成分が偏ってしまって、逆に不健康になってしまう可能性もあります。
現在報告されている適量は、1日50g(玉ねぎ約4分の1個)程度とされています。普段の食卓に上手に玉ねぎの硫化アリルを取り入れて、健康な体を維持していきましょうね。