甘味料の中で最も広く使われているものにアスパルテームという成分があります。
皆さん、試しにインターネットでアスパルテームと検索してみてください。検索されてでてくる情報の多くは、危険性があるというものがヒットするかと思います。
では、アスパルテームに危険性があるならば、どうして日本では甘味料としてアスパルテームを用いているんでしょうか?
アスパルテームを使用するのを国が認めている根拠とはいったいどんなものがあるのでしょうか。
もちろん、国が使用を禁止していないのだから、全てが安全だというつもりはありません。
妊婦の方や乳幼児の方などは、アスパルテームを避けた方がよいともいわれています。
そこで、ここでは、アスパルテームの危険性や、使用根拠からみる妊婦などへの影響についてお伝えしていきます。
目次
アスパルテームの危険性
最初に、アスパルテームの危険性について学びましょう。
アスパルテームとは、砂糖の約180~220倍もの甘味があるといわれていて、使用量も砂糖の約200分の1でOKというものです。
この性質から、カロリーオフなどのダイエット飲料や食品に多く利用されています。
日本においてアスパルテームは、甘味料のところに、”アスパルテーム“や”L‐フェニルアラニン化合物“などと表記されています。アスパルテームと記載されていないこともあるため、注意してくださいね。
アスパルテームの危険性として報告されているものは、次のものがあります。
- 脳への影響(脳障害、知能低下、認知症など)
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 精神疾患(うつ病など)
- 胃腸の疾患(胃潰瘍、ポリープなど)
- アレルギー疾患
- 糖尿病
- 不妊症
これ以外にも発がん性などの危険性を訴える論文も存在します。これだけの情報を見ると、アスパルテームって危険だと思いますよね。
しかし、危険ならば、どうして日本の飲料水や食品に甘味料としてアスパルテームを使うことができるのでしょうか。
アスパルテームは危険性の報告と同様に安全性の報告もかなりされています。これらの安全性と危険性を十分に考慮した上で、1日の許容摂取量を厚生労働省が定めています。
アメリカなどでも、体重約50kgの成人ではアスパルテームの1日の摂取許容量は2,500mgとしています。
一般的に飲料水100ml中に含まれるアスパルテームの量は4mg~79mgと言われているため、1lの飲料水を飲んでも、1日の摂取許容範囲以下に収まるというわけです。
アスパルテームの危険性が過剰摂取によるものというわけではないですが、国がアスパルテームの使用を許可している根拠には、安全性の報告によるものでもあります。
しかし、過去においても甘味料の中には、後の研究によって体に有害が認められて使用が禁止されているものもあるため、今後の研究で、アスパルテームの危険性が認められれば、使用禁止となる場合もあります。
アスパルテームは、まだまだ、人の体への影響を調査している甘味料の一つなんですね。
結論としては、アスパルテームは人工的に作り出した甘味料のため、自然な砂糖よりも体になんらかの影響はありうるということです。
自然派食品のみを食べたい、人工甘味料が気になるという方にとっては、国が認めているからといっても安心はできないですよね。一方、そこまで甘味料を気にしないという方にとっては安全という甘味料なんですね。
しかし、妊婦や乳幼児などの方の場合、アスパルテームの摂取によって、深刻な体調不良などを起こす可能性もあるため、注意が必要です。
次の項では、アスパルテームを避けるべき人について、詳しく説明していきます。
アスパルテームを避けるべきなのはどんな人?
アスパルテームを避けるべき人は、次の3つの方があげられます。
- フェニルケトン尿症の方
- 妊婦
- 乳幼児
それぞれについて、詳しく説明していきます。
フェニルケトン尿症の方
フェニルケトン尿症の方は、アスパルテームをできるだけ避けることが望ましいといわれています。
アスパルテームは、人の体の中で分解されると、フェニルアラニン、アスパラギン酸、メタノールの3つに分解されます。
フェニルケトン尿症の方は、体の中で、フェニルアラニンというアミノ酸を分解する酵素の働きが弱く、体の中にフェニルアラニンが蓄積してしまうという病気です。フェニルアラニンが体の中に溜まってしまうと、脳や精神の発達を遅れるなどの報告がされているため、この病気の方は、注意しなくてはなりません。
これらの病気の方に、フェニルアラニンが入っていることがわかるように、食品などの原材料名には、L-フェニルアラニン化合物などと明記されています。
フェニルアラニンは、アミノ酸の一種なので、普通の食品などからも摂取してしまいます。アスパルテームでよりたくさんのフェニルアラニンを摂ることで、脳や精神への影響のリスクが高まってしまうため、避けるべきといわれています。
妊婦
妊婦の方もアスパルテームの摂取を避けるべきといわれています。
というのも、妊娠中にアスパルテームの過剰摂取は、生まれた子のフェニルケトン尿症のリスクを高めるともいわれています。
しかし、この報告は、どのくらいの量を、どのくらいの期間摂取したら、どのくらいのリスクを高めるかは、明確になっていません。
そもそも、アスパルテームの分解物のフェニルアラニンは、人の体に必要なアミノ酸の一種でもあります。
私個人の意見ですが、妊娠中にアスパルテームを避け慣れければとナーバスにならず、人工甘味料の使われた食品などを大量に摂取しないくらいに考えるのが、母体にも胎児にもよいのかなと考えています。
乳幼児
乳幼児は、アスパルテームによらず、甘味料などの人工のものの摂取をできるだけ避けるようにといわれています。
というのも、乳幼児は、まだまだ体を作っている段階で、代謝能力なども低いため、少量の人工甘味料でも消化不良となってしまう場合があります。
また、味覚などの五感も発達させている段階なので、乳幼児の段階では、素材の味などを十分に覚えてもらうことも重要といわれています。
大人のものを赤ちゃんが食べられないのと同じように、人工甘味料などできるだけ避けてあげることが大切です。
まとめ
ここでは、アスパルテームの危険性や使用許可の根拠、アスパルテームを避けるべき対象の妊婦などを紹介しました。
アスパルテームには、次の危険性が報告されています。
- 脳への影響(脳障害、知能低下、認知症など)
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 精神疾患(うつ病など)
- 胃腸の疾患(胃潰瘍、ポリープなど)
- アレルギー疾患
- 糖尿病
- 不妊症
これらの危険性はありますが、同じように安全性の報告もされていることから、日本では、健康な成人、体重50kgの人の1日の摂取許容量は約2,300mgとしています。
この数値は、成人の体重だけでなく、1日の活動量なども加味して設定されています。
しかし、アスパルテームの使用根拠があるからといって、次の方は注意が必要です。
- フェニルケトン尿症の方
- 妊婦
- 乳幼児
どの場合も、病気や妊娠、体が発達途中という状況です。アスパルテームだけでなく、人工の添加物の摂取が体調不良になってしまう場合があるため、注意しましょう。
かといって、アスパルテームの入っていない食品、飲料水を探すのでは、とっても大変で、精神的にも良くないのではないでしょうか。
何事も食べ過ぎ、飲み過ぎが良くないので、上手にアスパルテームなどの甘味料とお付き合いしていきましょうね。