最近、美容効果やストレスに強い体になると話題の、アスタキサンチンという成分、ご存知ですか?
アスタキサンチンは赤い成分の一つです。赤色の海の食べ物といえば、皆さんはどんなものを思い浮かべますか?
鮭、エビ、カニなど、どれも私達の生活で身近な食材ばかりですよね。この鮮やかな赤色の正体が、天然の色素であるアスタキサンチンなんです。
この赤い色の正体は、アスタキサンチンを多く含むオキアミなどを、鮭やエビが食べることで、自分の体にアスタキサンチンを蓄えるからです。鮭やエビの鮮やかな色は厳しい自然界を生き抜くために蓄えている成分なんですよ。
そして、このアスタキサンチンは、人に対しても嬉しい効果があることが最近分かってきました。
ここではアスタキサンチンの嬉しい効果やアスタキサンチンを含む食品などについて詳しくお伝えしていきます。
目次
アスタキサンチンってどんなもの?
アスタキサンチンの効果や含む食品について学ぶ前に、アスタキサンチンがどのようなものなのかを復習しましょう。
この中でもトマトの赤い成分のリコピンや、人参の橙色成分のβカロテンは、カロテノイドと呼ばれる天然色素の仲間で、健康維持に良い成分として皆さんもご存じですよね。
人をはじめとした動物は、カロテノイドを体内で生成することができないため、植物として積極的に取り入れることが健康維持に必要とされています。
アスタキサンチンもカロテノイドの一種で、健康維持にとても有用な成分として注目されています。
例えば鮭は、海を回遊していて、産卵のために海から川に入り、自分の生まれた場所まで川を遡り産卵して生涯を終えます。
川を遡るというストレスに鮭が耐えることが出来る理由にアスタキサンチンが関与しているといわれています。また、産卵された卵は、川の比較的浅瀬にある場合、強い紫外線にさらされてしまいますが、アスタキサンチンには卵をこれらのダメージから守る効果もあるとされています。
アスタキサンチンは自然界で鮭やエビなどが生き抜くために必要な成分で体に蓄えているものなんです。
自然界のストレスに耐えうる体にしてくれるアスタキサンチンはもちろん、人に対しても嬉しい効果がいっぱいあります。
そこで次の項では、アスタキサンチンの効果について、詳しくお伝えしていきます。
アスタキサンチンの効果
アスタキサンチンの効果はなんといっても、抗酸化作用にあります。
人の体は、ストレスや紫外線をあびると、体の中で活性酸素が発生します。この活性酸素は、健康な細胞に作用して細胞を老化させる効果があります。
当然、老化してしまった細胞は、シミやシワの原因となったり、疲れやすい体になったりするなど良いことはありません。
アスタキサンチンはこの活性酸素を減らす効果のある抗酸化作用があるんです。しかも、かなり優れた抗酸化作用なんです。その強さはおよそ、βカロテンの5倍、CoQ10の800倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍ともいわれています。
βカロテンやCoQ10、ビタミンCなどって、肌に良い、ストレスに強い体にするなどと話題になっていますよね。アスタキサンチンはそれらの何倍もの効果があるといわれているんです。
さらに、アスタキサンチンには、膜を守る効果もあるといわれています。
人の体を作っている細胞は、細胞膜という二重の膜で作られています。様々な抗酸化成分は、細胞膜の中か外にしか存在できないのに対して、アスタキサンチンは細胞膜に貫通する形で存在できます。
その結果、細胞全体を守る、膜を守る力に優れているといわれています。このことから、人の細胞が活性酸素のダメージからくまなく守られるので、より健康維持への強力なパワーが得られるということになります。
一部の実験ですが、鶏にアスタキサンチンの成分を混ぜた餌を与えたところ、卵の黄身の膜の強さが通常の餌の場合よりも強くなったという報告もあります。
アスタキサンチンはまだまだ、様々な分野で研究が進められている成分です。
具体的に行われている研究は次の14つがあります。
- 認知機能、記憶力に対する作用
- 日周リズム調節作用
- シミ・シワ・肌荒れに対する作用
- 肩こり・肩血流に対する作用
- 高血圧・脂質異常症に対する作用
- ピロリ菌抑制作用
- 白髪・冷え・便秘に対する自覚症状改善作用
- 男性不妊に対する作用
- 眼精疲労軽減作用
- ドライマウスに対する作用
- 脂肪肝の進行抑制作用
- 糖尿病に対する作用
- 脂肪燃焼促進作用
- 大腸がんに対する作用
14つもの作用について紹介しましたが、まだまだもっと色々な分野での研究もされています。
特にアスリートを対象にしたアスタキサンチンの研究も進められていて、次の6つの分野でデータが収集されています。
- 筋肉持久力工場
- 血中乳酸値上昇抑制
- ミドルパワー工場
- 筋損傷軽減
- 体脂肪燃焼促進
- スポーツ視機能向上
国体やオリンピックが盛り上がる中、アスタキサンチンによって、運動機能が向上するかもしれないとして、スポーツ界でも注目されている成分なんですよ。
アスタキサンチンがどのようなものか、体に取り込むとどのような効果があるかまでわかりましたよね。こんなに嬉しい効果があるならば、普段の食生活で取り入れたいですよね。
そこで、次の項では、アスタキサンチンを含む食品について、詳しくお伝えしていきます。
アスタキサンチンを多く含む食材
アスタキサンチンを多く含む食材は次の8つがあります。数値は食品100g中に含まれるアスタキサンチンの含有量で示しました。
- オキアミ:3.0mg~4.0mg
- 紅鮭:2.5mg~3.7mg
- いくら:2.5mg~3.0mg
- 筋子:0.8mg
- 金目鯛:2.0mg~3.0mg
- 毛蟹:1.1mg
- 甘エビ:0.8mg~1.0mg
- 車エビ:0.6mg~0.7mg
私達の身近な食材では、エビやカニなどの甲殻類に多く含まれていますよね。魚では鮭などの赤い色をした食品があります。
皆さんの中には、エビやカニなどの甲殻類にアレルギーをお持ちの方、いらっしゃいませんか?私の主人は、甲殻類にアレルギーがあるので、エビやカニは一切NGです。
そんな人は、鮭からしか摂取できないじゃない!と思われる方もいますよね。甲殻類にアレルギーのある方は、身近な食品では、鮭や金目鯛などの魚からアスタキサンチンを摂取することになりますが、サプリメントから摂取することも可能です。
例えばAmazonなどでも様々な種類のサプリメントが売っています。この中からお好きな物を探してみてはいかがでしょうか?
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アスタキサンチンのサプリメントのほとんどは、植物由来のアスタキサンチンから出来ています。そのため、甲殻類にアレルギーがあっても心配せずに摂取することができます。
念のため、アスタキサンチンのサプリメントを試してみようという方は、薬剤師などに相談して、甲殻類が使用されていないものであることを確認してから購入してくださいね。
まとめ
アスタキサンチンには、抗酸化作用というとっても嬉しい効果があります。しかも、アスタキサンチンは細胞の膜を守る効果もあるため、その他の抗酸化作用をもつ成分よりも何倍もの抗酸化作用を示してくれます。
また、アスタキサンチンは様々な分野での研究も積極的に行われている成分ですので、今後“○×△がんに効果がある!”なんて新たに注目される日もくるかもしれません。
食品から取る場合はこれらのものがおすすめです!
- オキアミ:3.0mg~4.0mg
- 紅鮭:2.5mg~3.7mg
- いくら:2.5mg~3.0mg
- 筋子:0.8mg
- 金目鯛:2.0mg~3.0mg
- 毛蟹:1.1mg
- 甘エビ:0.8mg~1.0mg
- 車エビ:0.6mg~0.7mg
アスタキサンチンを多く含む食品は、エビやカニなどの赤い甲殻類や、鮭や金目鯛などの魚があります。普段の食卓にバランスよく取り入れて、アスタキサンチンの効果が得られるように工夫したいですね。
まだまだ研究途上の栄養素ですが、是非、積極的に取ってみてはいかがでしょうか?